2015 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役型受容体結合蛋白質による受容体シグナル制御の多様性と普遍性の解明
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25460326
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
寺田 晃士 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (70342722)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エンドセリン受容体 / ユビキチン化 / エンドサイトーシス / リサイクリング |
Outline of Annual Research Achievements |
エンドセリン-1(ET-1)の受容体(ETR)はA型(ETAR)とB型(ETBR)の2種類が存在する。両受容体は相同性が高いにも関わらず、ET-1による刺激後の運命が大きく異なる。すなわち、両受容体とも細胞膜上でET-1により刺激されると細胞内移行するが、その後ETARは細胞膜にリサイクルされるのに対し、ETBRはリソソームに輸送されて分解される。このような、異なるETR運命のメカニズムは明らかにされていないが、我々は、受容体のユビキチン化がETR運命の選択に重要な役割を果たすことを見出した。ETBRはET-1の刺激によりユビキチン化されたが、ETARはされなかった。ET-1刺激による細胞内移行および分解の速度は、ETARよりETBRのほうが早かった。C末端領域の5つのリシン残基をアルギニンに置換した変異型ETBR(ETBR 5KR)は、ET-1刺激によるユビキチン化を受けず、細胞内移行および分解の速度が低下してETARとほぼ同様となった。共焦点顕微鏡を用いた解析では、ETARおよびETBR 5KRとリサイクリング小胞のマーカーであるRab11との共局在が観察され、ETBRとETBR 5KRは後期エンドソーム/リソソームのマーカーであるRab7との共局在が観察された。ET-1による刺激の後にET-1を含まない培地に交換後しばらく後のET-1による刺激(ET-1の繰り返し刺激)では、ETBR 5KRによるERKのリン酸化レベルや細胞内Ca2+濃度の上昇の程度が、野生型ETBRのそれらよりも大きかった。これらのことより、ユビキチン化はETBRの細胞内トラフィッキング経路(リサイクリングか分解か)を制御し、その結果ETBRによる細胞内シグナルに影響を与えることが示された。
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Research Products
(1 results)