2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳幹におけるGLP-1分泌機序に関与する 修飾因子および神経 ネットワークの同定
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25460336
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久留 和成 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00592081)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中枢神経 / 摂食調節 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
明期(マウスにとっては休息時間帯)と暗期(マウスにとっては活動時間帯かつ摂食時間帯)、の時間帯における、細胞外高グルコース刺激に対するGLP-1分泌神経細胞の神経応答の詳細な解析を行うために、飼育環境下における、それぞれの時間帯にあたるマウスを用いて脳スライス標本を作製し、スライスパッチクランプ法を適用した。 明期に作製した標本内におけるGLP-1分泌神経細胞は、細胞外高グルコース刺激に対して電気的興奮を示す神経細胞が少ないのに対し、暗期に作製した脳スライス標本内のGLP-1分泌神経細胞は、およそ7割の細胞において、電気的興奮(活動電位の発火の発火頻度の上昇)が観察されたことから、GLP-1分泌神経細胞は、時間帯におけるグルコース感受性が変動する期日リズムを有していることが示唆された。また、明期および暗期のどちらの条件下で作製したスライス標本においても細胞外高グルコース刺激に対して全く応答を示さないGLP-1分泌神経細胞が観察された。 GLP-1分泌神経細胞における細胞外高グルコースに対する応答の機序をさらに詳細に解析する目的で、細胞外高グルコース刺激に応答性を示す細胞群を用いて、ナトリウム・グルコース共役輸送体の阻害薬であるフロリジン存在下にて同様の実験を行った結果、高グルコース刺激に対する応答は有意に抑制された。さらに、GLP-1分泌神経細胞のみを用いた単一細胞RT-PCR法にて解析を行った結果、mRNAレベルにてナトリウム・グルコース共役輸送体の発現が確認されたことから、GLP-1分泌神経細胞のグルコース応答にナトリウム・グルコース共役輸送体が関与していることが示唆された。
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