脂肪肝に発現する機能未知遺伝子HPD1の機能解析-脂肪蓄積の新規シグナル因子-

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25460348
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Fukuoka University
• Principal Investigator: 松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10389364)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 脂肪細胞

Research Abstract

1. 3T3-L1 脂肪細胞におけるHPD1ノックダウンシステムの構築
1) HPD1shRNA 発現レンチウイルスベクターの作製
現状において、3T3-L1 脂肪細胞は HPD1 遺伝子を発現する唯一の培養細胞株である。HPD1 タンパクの機能解明において、培養細胞系での HPD1 ノックダウンシステムは多大な利点を持つ。そこで、レンチウイルスベルターが shRNA ベクターを高効率に3T3-L1 脂肪細胞に導入できることに注目し、HPD1shRNA発現レンチウイルスによる HPD1 ノックダウンシステムの構築を試みた。この結果、作製された HPD1shRNA 発現レンチウイルスは、70% 以上の 3T3-L1 脂肪細胞に感染した。さらに、HPD1shRNA 発現レンチウイルスに感染された 3T3-L1 脂肪細胞は、非感染細胞に比べ、HPD1 タンパクの発現が 60% 以上低下した。
2. HPD1 ノックダウン3T3-L1 脂肪細胞の表現型解析
HPD1 ワイルド及び今回作製した HPD1 ノックダウン 3T3-L1 脂肪細胞の細胞形態を比較したが、少なくとも位相差顕微鏡による両細胞の検鏡においては明らかな相違は認められなかった。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

HPD1 タンパクの生理機能の解明を目的として、本タンパクのノックダウンシステムの構築に成功したものの、明らかな表現型が現れなかった。更なる詳細な検討を必要とする。

Strategy for Future Research Activity

H25年度の成果により、3T3-L1 脂肪細胞における HPD1 ノックダウンシステムが構築できた。H26年度はこのシステムを用いて HPD1 タンパクの機能解明を試みる。
1. 抗体アレイによる網羅的発現解析。
HPD1 ワイルド及び HPD1 ノックダウン 3T3-L1 脂肪細胞に発現するタンパクレベルの変化をアレイにより網羅的に比較する。変化の生じたタンパクを同定して、HPD1 タンパクとの関連性を解明する。
2. 3T3-L1 脂肪細胞の分化におけるHPD1の関与
3T3-L1 脂肪細胞は、分化誘導剤の添加により前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞へ分化する。よって脂肪細胞への分化における HPD1 タンパクの機能を解明するために、予め前駆脂肪細胞の HPD1 タンパクをノックダウンさせた細胞とHPD1ワイルド細胞との分化の程度を比較する。比較する指標としては、細胞形態あるいは脂肪細胞特異的な遺伝子発現などを予定している。

Research Products

• [Journal Article] Involvement of CXCL14 in osteolytic bone metastasis from lung cancer (2014)
  • Author(s): Takiguchi, S., Korenaga, N., Inoue, K., Sugi, E., Kataoka, Y., Matsusue, K., Futagami, K., Li, Y.-J., Kukita, T., Teramoto, N. & Iguchi, H
  • Journal Title: International journal of oncology Volume: 44 Pages: 1316-1324
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Expression of hepatic fat-specific protein 27 depends on the specific etiology of Fatty liver (2013)
  • Author(s): Aibara, D., Matsusue, K., Matsuo, K., Takiguchi, S., Gonzalez, F. J. & Yamano, S.
  • Journal Title: Biological and Pharmaceutical Bulletin Volume: 36 Pages: 1766-1772
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 成因の異なる脂肪肝モデルにおける fat-specific protein 27 遺伝子の発現解析 (2014)
  • Author(s): 藍原大甫、松末公彦、松尾康平、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: 第134年会 日本薬学会
  • Place of Presentation: 熊本
  • Year and Date: 20140327-20140330
• [Presentation] 脂肪細胞における機能未知遺伝子 liver PPARγ-dependent gene 3 (lpd3) の分化依存的な発現性 (2014)
  • Author(s): 松尾康平、松末公彦、 藍原大甫、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: 第134年会 日本薬学会
  • Place of Presentation: 熊本
  • Year and Date: 20140327-20140330
• [Presentation] 発症原因の異なる脂肪肝におけるfat-specific protein 27 遺伝子の発現解析 (2013)
  • Author(s): 藍原大甫、松末公彦、松尾康平、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: 第 30 回日本薬学会九州支部大会
  • Place of Presentation: 長崎
  • Year and Date: 20131207-20131208
• [Presentation] 脂肪細胞における機能未知遺伝子 liver PPARγ-dependent gene 3 の発現解析 (2013)
  • Author(s): 松尾康平、松末公彦、 藍原大甫、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: 第 30 回日本薬学会九州支部大会
  • Place of Presentation: 長崎
  • Year and Date: 20131207-20131208
• [Presentation] PPARgamma と肝脂肪蓄積 (2013)
  • Author(s): 松末公彦、 藍原大甫、 松尾康平、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: フォーラム2013 衛生薬学 環境トキシコロジー
  • Place of Presentation: 福岡
  • Year and Date: 20130913-20130914
  • Invited
• [Presentation] 脂肪細胞において誘導される liver PPARγ-dependent gene 1 に対する shRNA 発現ベクターの作製及びノックダウン効率の評価 (2013)
  • Author(s): 藍原大甫、松末公彦、松尾康平、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: フォーラム2013 衛生薬学 環境トキシコロジー
  • Place of Presentation: 福岡
  • Year and Date: 20130913-20130914
• [Presentation] 脂肪細胞における機能未知遺伝子 liver PPARγ-dependent gene 3 の発現解析 (2013)
  • Author(s): 松尾康平、松末公彦、 藍原大甫、 瀧口総一、 山野茂
  • Organizer: フォーラム2013 衛生薬学 環境トキシコロジー
  • Place of Presentation: 福岡
  • Year and Date: 20130913-20130914