2014 Fiscal Year Research-status Report
脂肪肝に発現する機能未知遺伝子HPD1の機能解析-脂肪蓄積の新規シグナル因子-
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25460348
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10389364)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、HPD1の生理機能を明らかにするため3T3L1脂肪細胞におけるHPD1ノックダウンシステムを構築した。本年度はこのシステムを用いて以下の実験を試みた。
1. HPD1ノックダウン3T3L1成熟脂肪細胞における抗体アレイによる網羅的発現解析 ワイルド及びHPD1ノックダウン3T3L1成熟脂肪細胞を用いて、抗体アレイにより3T3L1成熟脂肪細胞に発現するタンパクの発現変化を網羅的に比較した。この結果、およそ1500種類のタンパクの発現を両細胞で比較したが、両細胞間で著しく発現量が変化するタンパクは見出せなかった。 2. 3T3L1前駆脂肪細胞の分化過程におけるHPD1の関与 3T3L1脂肪細胞は、分化誘導剤の添加により前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞へ分化する。我々はHPD1がこの分化の過程で著しく誘導されることを明らかにしている。上記"1"の実験においては成熟後の3T3L1成熟脂肪細胞を用いたが、本実験では、予め前駆脂肪細胞のHPD1タンパクをノックダウンさせ分化過程におけるHPD1の関与を確かめた。この結果、顕鏡下でワイルド及びHPD1ノックダウン3T3L1前駆脂肪細胞の分化の程度に相違は認められなかった。しかしながら、両細胞において、分化した脂肪細胞に特異的に高発現するperilipin1及びfat specific protein 27遺伝子のmRNAレベルを測定したところ、両遺伝子はHPD1ノックダウン3T3L1前駆脂肪細胞において有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HPD1タンパクの生理機能の解明を目的として、本タンパクのノックダウシステムを構築したが、そのノックダウン細胞において明確な表現型が認められないため。条件などを変更し、更なる詳細な検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. HPD1ノックダウン3T3L1脂肪細胞におけるリン酸化アレイによる網羅的発現解析 前年度の抗体アレイにおいては、明らかな発現変化を示すタンパクは見いだせなかったが、HPD1は細胞内シグナル伝達に関与している可能性がある。よって、ワイルド3T3L1脂肪細胞及びHPD1ノックダウン3T3L1脂肪細胞を用いて、細胞内のリン酸化の変化を確かめる。 2. HPD1タンパクの細胞内局在の決定 HPD1抗体を用いてHPD1タンパクの細胞内局在を決定し、本タンパクの機能を類推する。
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