2014 Fiscal Year Research-status Report
筋原性血管応答におけるイオン輸送分子の局在・活性制御とその異常が導く病態機序
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25460350
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
喜多 紗斗美 福岡大学, 医学部, 准教授 (10461500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 誠 福岡大学, 医学部, 講師 (30398086) [Withdrawn]
後藤 雄輔 福岡大学, 医学部, 助教 (90609489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋原性収縮 / イオン輸送 / リン脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓、腎臓、脳、腸間膜など主要細動脈の筋原性収縮(myogenic tone)は、末梢血管抵抗の調節や血流の自動調節などに重要な役割を果たしているが、その分子機構は未だ不明な点が多い。これまでに申請者は、様々なイオン輸送分子(NCX1、TRPCなど)やプロテインキナーゼが筋原性収縮に関与することを示す結果を得ており、筋原性収縮の分子機構を理解するためには、収縮機能とともにイオン輸送分子間の機能連関ならびにその制御機構を時空間的に、統合的に解析することが重要であると考えている。本研究では、血管平滑筋細胞を標的としたイオン輸送分子可視化マウスやイノシトールリン脂質可視化マウスを開発することにより、筋原性収縮の分子機構とその破綻による病態機序について、イオン輸送分子の局在・集積・機能制御の側面から明らかにすることを目的としている。 平成26年度は、血管平滑筋NCX1可視化マウスおよび細胞内Caシグナル可視化マウスを用いて、これらマウスの腸間膜動脈に生理的灌流圧(0~120 mmHg可変)を負荷したときのNCX1局在および細胞内Ca濃度変化を測定し、筋原性収縮時のNCX1局在および細胞内Ca濃度変化の測定系を確立した。現在、これらを同時測定するため、RCaMPとの融合タンパクを高発現したマウスを作製している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、前年度に作製した各種可視化マウスを用いて、薬物処置や遺伝子改変導入実験を行うことにより、筋原性収縮の分子機序を受容体刺激収縮と比較することを計画していた。これまでに、血管平滑筋NCX1可視化マウスおよび細胞内Caシグナル可視化マウスを用いて、これらマウスの腸間膜動脈に生理的灌流圧(0~120 mmHg可変)を負荷したときのNCX1局在および細胞内Ca濃度変化を測定し、筋原性収縮時のNCX1局在および細胞内Ca濃度変化の測定系を確立している。また、これらマウスを用いて血管肥厚モデルの作製も平行して進めており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度に実施してきた各種可視化マウスでの筋原性収縮の測定を引き続き行う予定である。さらに、これらマウスで作製した血管肥厚モデル、DOCA食塩高血圧モデル、糖尿病モデルでの筋原性収縮とNCX1局在、細胞内シグナル変化の測定に力を入れ、筋原性収縮の破綻による病態機序の解明を目指す。
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Causes of Carryover |
TAC社製共焦点ユニットシステムが必要となり、前倒し請求(500,000円)を行って購入したが、端数が出たために次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該助成金は、翌年度の助成金の物品費として、マウスや試薬の購入に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)