2013 Fiscal Year Research-status Report
Rifによるエメリンの分解制御とその核膜動態における役割
Project/Area Number |
25460367
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西田 満 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379359)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | Rif / エメリン / 核膜 |
Research Abstract |
Rifの不活性型変異体(RifTN)を強制発現させた培養細胞において、核膜タンパク質エメリンがプロテアソーム依存的に分解されることをこれまでに明らかにしたが、本研究期間ではエメリンがユビキチン化されることでプロテアソーム系によって分解されるのか検討した。抗ユビキチン抗体を用いた免疫染色の結果、RifTN発現細胞において抗ユビキチン抗体による顕著な染色が認められた。その局在はRifTNやエメリンと部分的に一致した。次に抗p62抗体を用いて同様の解析を行った。p62はユビキチン結合領域とLC3結合領域を持ち、ユビキチン化されたタンパク質をオートファゴソームへと運ぶ役割を果たすユビキチン結合タンパク質である。解析の結果、p62もRifTN発現細胞において蓄積し、RifTNとの共局在が認められた。しかし、エメリンとp62の共局在はほとんど認められなかった。これらの結果からRifTNはユビキチン化された後オートファジーによって分解され、エメリンはユビキチン化された後プロテアソーム系によって分解されることが示唆された。生化学的な解析においてもRifTNが細胞内でユビキチン化されることが確認できた。また、Rifの結合タンパク質として同定したE3ユビキチンリガーゼDDB1の発現抑制によって内在性のRifの発現が増加することも見出した。さらに、DDB1との複合体として機能するCul4やRoc1がRifと結合することも示した。したがって、RifはDDB1によってユビキチン化され分解されることが示唆された。一方、エメリンのユビキチン化はこれまでに生化学的手法では検出されておらず、今後の解析が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Rifの不活性型であるRifTNがユビキチン化されることを明らかにし、その過程にE3ユビキチンリガーゼCul4-DDB1が関わることを示唆する結果も得ている点において順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
Rifのユビキチン化がCul4-DDB1によって起こることをin vitroユビキチンアッセイによって明らかにする必要がある。エメリンのユビキチン化については生化学的手法での確認ができていないが、プロテアソーム阻害剤等を用いてタンパク質分解を抑制することによって、検出できるかどうかを検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Rifおよびエメリンのin vitroユビキチン化アッセイの予備実験の過程で、Rifの精製タンパク質が予想以上に大量に必要であることが判明したため、その準備に予想以上に時間を費やした。そのため本年度中に実施予定であったin vitroユビキチン化アッセイを次年度に実施することになり、そのための物品費の必要性が生じた。また、国内の成果発表旅費を当該年度に行わずに次年度に行うため。 in vitroユビキチン化アッセイを実施するための物品費(消耗品)704千円と国内成果発表旅費100千円を26年度の使用計画に追加して使用する。
|