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2014 Fiscal Year Research-status Report

細胞の分化及び生存に影響を及ぼす新たなRNA代謝機構

Research Project

Project/Area Number 25460371
Research InstitutionKochi University

Principal Investigator

坂本 修士  高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (80397546)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords筋成熟 / 中心核 / マイクロRNA / Dynamin / 筋萎縮 / 骨格筋 / NF90 / NF45
Outline of Annual Research Achievements

昨年度までの解析より、我々はNF90-NF45過剰発現(dbTg)マウスの骨格筋ではNF90-NF45-miR-133-Dynamin (Dnm)経路が活性化することで中心核化を伴う筋萎縮を引き起こすことを見出した。本年度は、NF90-NF45がmiR-133に加えmiR-1やmiR-378といった他のmyogenic miRNAの産生も抑制することを見出した。そこでdbTgマウスの骨格筋においてmiR-133,-1,-378の標的となる候補因子を探索するためにマイクロアレイ解析を実施した。その結果、野生型マウスと比較し、dbTgマウスの骨格筋において725遺伝子の発現が2倍以上増加していた。その中よりmiR-133,-1,-378の標的候補をmiRNA標的予測プログラムであるTargetScanを用いて探索した。
その結果が下記となる。
miR-133 Targets: Aifl1, Atp6ap2, Col8a1, Srgap3, Vat1
miR-1 Targets: Anxa2, Anxa4, Atp6ap2, Atp6V1a, Azin1, Colo1b, G6pdx, H3f3b, Serp1, Sh3bgrl3, Zfp36
miR-378 Targets: H3F3b, Vat1
次に、これらの中から、中心核化を引き起こすアクチンや微小管の制御に関与する因子をGene ontology解析を用いて調べた。その結果、Aifl1, Coro1b, G6pdx, Serp1, Sh3bgrl3がそれらの機能を有する可能性を見出した。従って、dbTgマウスの骨格筋の中心核化には、NF90-NF45-miR-133-Dnm2の経路に加え、miRNAの産生制御を介して上記の5因子が関与する可能性を見出すことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画では、個体レベルで確認されたNF90-NF45によるmiR-133-Dnm経路の活性化を骨格筋由来の培養細胞株を用いて検証することが含まれていた。この点に関しては、マウス骨格筋由来の筋芽細胞であるC2C12細胞を用いて解析を行った。NF90-NF45を一過性に高発現させ、miR-133,-1,-378の初期転写産物(pri体)及び成熟型miRNAの発現を測定した。しかしながらNF90-NF45の一過性の過剰発現によるpri体の蓄積及び成熟型miRNAの低下は確認されなかった。C2C12細胞においては筋芽細胞から筋菅細胞への分化に伴い、miR-133,-1,-378の発現が顕著に増加することが報告されている。従ってこれらのmiRNAの生合成におけるNF90-NF45の影響を検証するためにはNF90-NF45の安定発現株を樹立し、その細胞株を用いて筋分化を誘導し当該miRNAの産生量の変動を解析する必要があると考えられる。
一方、「NF90-NF45-miR-133-Dnm経路の活性化が中心核を伴う骨格筋の萎縮を引き起こす」という我々が発見した知見はMolecular and Cellular Biologyに論文として発表することができた。

Strategy for Future Research Activity

1.我々のこれまでの解析により、NF90-NF45 dbTg マウスの骨格筋において筋分化に重要なマーカー因子(分化マーカーX)の発現が顕著に増加することを見出している。そこで本年度は野生型マウスとNF90-NF45 dbTgマウスに対し筋異常を誘導し分化マーカーXの発現量の違いによる表現型の差異を検討する。
同時にNF90-NF45による分化マーカーXの発現制御メカニズムの解明を試みる。

2.NF90Tgマウスの筋組織ではミトコンドリア変性が観察される。一方、同組織においてはATPを大量に消費する蛋白質合成が低下している。従って、ATPの収支のバランスが保たれるため、NF90Tgマウスは筋萎縮を伴う体重の大幅な低下という表現型を示しているにも関わらず長期生存が可能になっているものと考えている。これらの解析結果より、NF90は細胞内ATPの収支を制御することで低栄養条件下等の過酷な環境において細胞を生存させる機能を有している可能性が考えられる。このことを証明するために、NF90もしくはNF90-NF45の安定発現細胞株を樹立し、それらの細胞株及びコントロール細胞を用いて低グルコースまたはグルコースのアナログ体である2-デオキシグルコース(2-DG)存在下における増殖率を解析する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Overexpression of NF90-NF45 complex functions as a negative regulation in the microRNA precessing pathway.2015

    • Author(s)
      Todaka H, Higuchi T, Yagyu KI, Sugiyama Y, Yamaguchi F, Morisawa K, Ono M, Fukushima A, Tsuda M, Taniguchi T, Sakamoto S.
    • Journal Title

      Molecular and Cellular Biology

      Volume: 印刷中 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 二本鎖RNA結合タンパク質が関与する肝細胞癌の新たな遊走能制御2014

    • Author(s)
      樋口琢磨, 安東徳子, 三輪武司, 戸高寛, 森澤啓子, Lai Chin See Sylvia, 杉山康憲, 津田雅之, 坂本修士.
    • Organizer
      第87回 日本生化学会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都市)
    • Year and Date
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [Presentation] マルチPK抗体とPhos-tagを利用した細胞内リン酸化シグナリング解析法2014

    • Author(s)
      杉山康憲, 森澤啓子, 樋口琢磨, 戸高寛, 山口史佳, 安東徳子, 坂本修士.
    • Organizer
      第87回 日本生化学会
    • Place of Presentation
      国立京都国際会館(京都市)
    • Year and Date
      2014-10-15 – 2014-10-18

URL: 

Published: 2016-05-27  

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