2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経・免疫系による腸管恒常性維持制御機構とその破綻
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25460380
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幡野 雅彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20208523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腸管神経系 / 腸管免疫系 / 腸内細菌叢 / 上皮バリア / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管神経系は胎生期に神経堤細胞より分化・定着し、腸管蠕動運動、分泌、吸収などを制御している。一方腸管には免疫系・上皮バリアなどにより腸内細菌叢と相互作用を保ちながら恒常性維持に関与しているが、腸管神経系と上皮バリア、免疫系、及び腸内細菌叢との相互作用についての詳細は知られていない。我々は腸管神経系に異常をきたす遺伝子組換えマウス(Ncx KOマウス、Kif26a KOマウス)を用いて腸管神経系と上皮バリア、免疫系及び腸内細菌叢との相互作用を明らかにした。Ncx KOマウスは腸管神経の増加をきたす。一酸化窒素(NO)産生ニュウロンの増加が認められ、その合成酵素であるnNOSの発現が上昇していた。このマウスにおいて、腸管透過性の亢進、上皮細胞においてE-カドへリンの発現減少が認められそれらはnNOSの阻害剤により改善した。このことより神経細胞由来NOが上皮バリア制御にかかわっていることが明らかとなった。一方腸内細菌層を16SrRNA法で調べたところEnterobacteriaceaeの増加、および一酸化窒素還元酵素であるNORV陽性の細菌の増加が認められ、Dysbiosisの状態であることが明らかとなった。Ncx KOマウスの糞便を野生型マウスに移植し、DSS腸炎を発症させたところ、野生型マウス糞便移植群に比較して重症化したこと、抗生物質使用により症状が改善していること、などからNcx KOマウス腸内細菌は野生型と比較してより病原性の高いものであることが示唆された。一方同じく腸管神経細胞の増加しているKif26a KOマウスにおいても同様に腸内細菌解析の結果Enterobacteriacedaeが増加しておりDysbiosisであることが示唆された。今後さらに腸内細菌についての検討を進める予定である。
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[Journal Article] Haplpinsufficiency of the c-myc transcriptional repressor FIR, as a dominant negative-alternative splicing model, promoted p53-dependent T-cell acute lymphoblastic leukemia progression by activating Notch1.2015
Author(s)
Matsushita K, Kitamura K, Rahmutulla B, Tanaka N, Ishige T, Satoh M, Hoshino T, Miyagi S, Mori T, Itoga S, SHimada H, Tomonag T, Kito M, Nakajima-Takagi Y, Kubo S, Nakaseko C, Hatano M, Miki T, Matsuo M, Fukuyo M, Kaneda A, Iwama A, Nomura F.
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 6
Pages: 5102-5117
Peer Reviewed / Open Access
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