2013 Fiscal Year Research-status Report
TBP-2/Txnipによるインスリン抵抗性機構の解明とケミカルバイオロジー
Project/Area Number |
25460386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (50252523)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Txnip / アルファアレスチン / TBP-2 / ケミカルバイオロジー / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 癌 / 低分子化合物スクリーニング |
Research Abstract |
アルファアレスチンファミリーに属する分子thioredoxin binding protein-2 (TBP-2)/ thioredoxin interacting protein (Txnip)は高血糖により誘導され、インスリン抵抗性を悪化させる因子である。これまでの研究実施状況として、糖によるTBP-2発現誘導を指標とした低分子化合物スクリーニングにより、糖による細胞内転写活性化シグナルを制御し、糖の細胞内取り込みを改善する化合物の候補を得た。現在、得られた化合物のvalidationを行い、さらにこれらの候補を用いてケミカルバイオロジーとして糖シグナルやインスリン抵抗性制御機構を解析している。さらに、TBP-2はTGFbetaシグナルを制御し、癌抑制因子としても働くので、プロテオミクス解析によりTBP-2と相互作用する分子の候補を得た。現在、その候補についての検証を行っている。さらにプロテオミクス解析の改良を行い、その機構の解明を目指して検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究実施状況として、糖によるTBP-2発現誘導を指標とした低分子化合物スクリーニングにより、糖による細胞内転写活性化シグナルを制御し、糖の細胞内取り込みを改善する化合物の候補を得た。現在、得られた化合物を用いて糖シグナルやインスリン抵抗性制御機構を解析している。さらに、TBP-2はTGFbetaシグナルを制御し、癌抑制因子としても働くので、プロテオミクス解析によりTBP-2と相互作用する分子の候補を得た。さらにプロテオミクス解析の改良を行い、その機構の解析を行っている。これらは、概ね計画どうりであり、計画は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1) プロテオミクス解析により同定したTBP-2/Txnipと相互作用する分子についてTBP-2/Txnipとの蛋白質相互作用がどのような分子機構でインスリン抵抗性を調節するか、特にインスリンによるIRS-1の発現誘導やAktリン酸化に与える影響に注目して検討する。TBP-2/Txnip とNedd family ユビキチンリガーゼの相互作用を示す知見を得ているので、それらの協調作用によるシグナル伝達機構を解析する。 2) 同定したTBP-2/Txnipの糖による発現に影響を与える候補について糖による転写活性化やインスリンシグナル制御などについて検討する。また、類縁化合物による検討を行う。 3) プロテオミクス解析により同定したTBP-2/Txnipと相互作用する分子について解析し、どのような機構でTBP-2がTGFbetaシグナルを制御するかについて検討する。
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