2015 Fiscal Year Annual Research Report
RNAキナーゼNOL9の生体内機能および関連疾患に関する研究
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25460387
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
花田 俊勝 大分大学, 医学部, 教授 (10363350)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子病態学 / 遺伝子改変動物 / RNA代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度に引き続き、RNAキナーゼNOL9の生体内における分子機能を解析するため、NOL9のRNAキナーゼ活性欠損ノックインマウスの作成に取り組んだ。前回、LoxP遺伝子を挿入したイントロン部位において、スプライシング異常が生じたため、遺伝子欠損状態になり産仔が得られない結果に終わった。そのため、今回はイントロンとエクソンの結合部より十分の間隔を取ってLoxP遺伝子を挿入した。ジャームライントランスミッションを確認した後、EIIa-Creマウスとの交配により、neo遺伝子を除去、さらにNOL9遺伝子内に入れた1アミノ酸の変異をシークエンスで確認した。ヘテロ同士を交配し、ホモ変異体のマウス樹立に成功した。現在、C57BL/6Jへ戻し交配を行っている。一方、NOL9コンディショナルノックアウトマウスを用いて、NOL9 が関与すると考えられる核小体ストレスと発癌について乳腺特異的NOL9ノックアウトマウス(MMTV-Creとの交配による)を用いた乳癌モデルおよび造血幹細胞特異的NOL9ノックアウトマウス(Mx1-Creとの交配による)を用いた骨髄増殖性腫瘍モデルを用いて検討を行っている。興味深いことに、NOL9遺伝子欠損により、癌の増悪が認められることから、NOL9は癌抑制遺伝子の可能性が示唆された。現在この分子メカニズムについて詳細に検討を行っている。 時間を要したNOL9キナーゼ欠損ノックインマウスの樹立に最終的に成功し、今後、本マウスモデルの解析から未だ詳細が解明されていないNOL9のRNAキナーゼとしての分子機能が明らかになるとともに、肥満・代謝疾患、癌等の疾患モデルを応用することにより疾患との関連についても関連性が明らかになると期待される。
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