2013 Fiscal Year Research-status Report
ST2の細胞増殖抑制効果発現機序の解明と抗がん作用の検証
Project/Area Number |
25460393
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
富永 眞一 自治医科大学, 医学部, 教授 (70155571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多胡 憲治 自治医科大学, 医学部, 講師 (20306111)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ST2 / ST2L / IL-33 / NIH-3T3 / 細胞増殖 / シグナル伝達 / 抗がん作用 |
Research Abstract |
平成25年度はまず研究の基盤となるAssay Systemの構築を行った。いくつかの候補から予備実験を経て適切なマウスNIH-3T3細胞株を選択し、細胞外から加えた因子の増殖促進効果および増殖抑制効果が正しく反映される培養条件の検討を行った。培地(DMEM+5%牛胎児血清)、播種条件(1:20)、Assay法(WST-1法およびCell Counter法)等の適切な条件が設定できた。この条件のもとでマウスIL-33の細胞増殖への効果をみたところ、当初の予想に反してIL-33を加える時の細胞の状態に依存して増殖が促進されたり、抑制されたりすることが発見された。この現象はいままで報告がなく、特に抑制効果については今後作用機序に関して追究する必要が出て来た。 IL-33の受容体であるST2Lを常時発現しているNIH-3T3細胞の作成にも成功したが、今のところ細胞外から加えたIL-33の著明な効果は確認できていない。内在性の微量のST2Lの存在が影響している可能性もあり、今後さらに別の角度から追究する必要がある。 一方で分泌型ST2タンパク質の精製法も確立し、そのNIH-3T3細胞の増殖に対する効果の検討も始めている。現在までのところあくまでも予備的なデータであるが、当初の予想に反して増殖を促進するのではないかという結果が得られている。 IL-33とST2それぞれ細胞増殖に対する効果はあることが分かってきたが、相互の関連とメカニズムについて、さらに細胞培養実験を継続する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に立案した研究実施計画には、すべて着手できた。一部作業仮説と異なる結果が得られたり、予想外の新たな現象の発見などがあり、今後の展開が楽しみである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の実験の結果、受容体型ST2Lを常時発現する細胞でははっきりした細胞増殖への影響が見られなかった。一方で、精製ST2は増殖促進に働く可能性が示された。これを別の側面から検討するために、分泌型ST2を常時発現する細胞を樹立し、対照と比較してST2の増殖促進効果の有無を追究する。また逆に、内在性ST2遺伝子の発現を抑制した“ノックダウン細胞”を樹立して対照との比較で増殖への影響を検討したい。これらの道具を用いると、ST2遺伝子産物の増殖調節機序に迫ることが可能であると考えられる。 平成25年度に発見したIL-33の増殖に対する二面的な機能についても、関連候補遺伝子の探索を開始したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞増殖抑制、あるいは促進効果を判定するためのAssay条件の確立が、予想外に順調でその費用が倹約できたため。 平成25年度の研究で、IL-33の細胞増殖に及ぼす作用が作業仮説と異なり複雑であることがわかったため、その追究に必要な細胞培養用物品費に使用する。
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