2014 Fiscal Year Research-status Report
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25460408
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
五十嵐 友紀 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (60469393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 律子 産業医科大学, 医学部, 講師 (20449945)
荻ノ沢 泰司 産業医科大学, 医学部, 助教 (20596720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 心房細動 / ギャップ結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度において、ヒトConnexin40 (Cx40)およびCx43発現アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを作製した。本年度においては作製したAAVをラット心房筋へ遺伝子導入を行う予定としていたため、必要量のAAVを精製する必要があった。AAV作製にはHEK293細胞を大量培養し、さらにCell Biolabs社のプロトコールを用いてAAV精製、ウイルス・タイタ―の測定を行い、最終的なAVV溶液を作製した。尚、AAVのセロタイプはこれまでの予備実験において心房筋への導入効率が高いとされた1型を使用した。 次に、ラット心房筋への遺伝子導入実験を行った。まずは安定した手技の確立のためにウイルスを用いないコントロール群(シャム手術群、5匹)の実験を開始した。吸入麻酔導入後に気管内挿管を行い人工呼吸器に装着し、清潔条件下で開胸術を行った。まず心臓電気生理学検査を行い、心房筋有効不応期、心房筋脱分極時間、心房内伝達時間などを測定した。最後に上行大動脈を部分結紮し後負荷を作製した後に閉胸し手術は終了とした。2ヵ月後に再度開胸術を行う予定としており、現在定期的な心電図測定および身体的変化のモニタリングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画の平成26年度に行う実験に関しては、やや進行が遅れているものと考えられる。その大きな理由としてはウイルス作製に時間を要したことと、動物実験の条件設定に時間を要したことが挙げられる。当初の予定ではコントロール群としてはレポーター遺伝子を含んだAAVを予定していた。本実験は開胸術をという侵襲的な手技を用いるために手術時間の短縮が必要である。このため安定した手技を確立するうえではウイルスを用いないコントロール群(n=5)を設定した。現在このコントロール群の動物は順調に経過しているために順次ウイルス導入群の手術を行う予定である。しかしながら、常に麻酔導入法、開胸術式、心臓電気生理検査プロトコール、ウイルス導入法、後負荷作製法など、各段階において詳細な条件設定は継続して行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
30匹のラットを10匹ずつ、コントロール群、Cx40の遺伝子導入群、Cx43の遺伝子導入群、それぞれ3つのグループに分け遺伝子導入を行う。開胸術、電気生理検査、遺伝子導入は前述したとおり施行する。2ヵ月後に再度開胸術を行い、上述の電気生理学検査を行う。最後に心房筋を切除しqPCRおよびウエスタン・ブロット解析により導入したタンパク質の発現を評価する。また免疫組織検査ではConfocal imagingにてCxの局在発現を観察し、機能的Cxと非機能的Cxの発現を評価する。さらに平成27年度に予定しているConnexin(Cx)タンパク質の細胞内動態メカニズム解明の実験も予定している。Clontech社のpEGFPベクター(CMV-GFP-Multiple Cloning Site)にCx40およびCx43のcDNAを挿入しプラスミドを作製した。Cx40は良好な融合タンパク質を確認できたが、Cx43は発現を確認することが出来なかった。今後原因検索を行って行く予定である。
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Causes of Carryover |
予定より動物実験の計画が遅れているため。消耗品を中心として、予定より購入価格が安価となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動物実験を予定通り遂行し、それに伴う飼育費や消耗品を購入する予定であり、当初の予算通りに使用を行う予定としている。
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