2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460408
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
五十嵐 友紀 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (60469393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 律子 産業医科大学, 医学部, 講師 (20449945)
荻ノ沢 泰司 産業医科大学, 医学部, 助教 (20596720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / ギャップ結合 / 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
Connexin43 (Cx43)発現アデノ随伴ウイルスベクターをラットの心房筋へ選択的に遺伝子導入を行い、長期間に渡る心房細動抑制効果を評価した。当初予定していたヒトCx40遺伝子導入は得られたウイルス・タイタ―値が低く、複数回ウイルス作製を試みたが至適タイタ―値を得ることが出来ず導入を断念した。10匹のラットを対照群(シャム手術群、5匹)および遺伝子導入群(Cx43導入群、5匹)へ分類し、吸入麻酔導入後に気管内挿管を行い人工呼吸器に装着後、清潔条件下で開胸術を行った。まず心臓電気生理学検査を行い、心房筋有効不応期、心房筋脱分極時間、心房内伝達時間、心房細動誘発を評価した。その後遺伝子導入群にはCx43発現ウイルスを心房筋へ特異的に導入し、上行大動脈を部分結紮し後負荷を作製した後に閉胸し手術は終了とした。2ヵ月後に再度開胸し、心房筋有効不応期、心房筋脱分極時間、心房内伝達時間、心房細動誘発を評価した。最後に心臓を摘出し、ウエスタン・ブロット解析および免疫組織染色法にてCx43の発現および局在を評価した。心房筋有効不応期および心房筋脱分極時間に関しては両群間で有意な差は認めなかったが、心房内伝達時間は対照群と比較しCx43遺伝子導入群において有意に短縮しており、ギャップ結合におけるCx43の発現の増加に伴う心房筋内の刺激伝導の改善による効果が示唆された。また心房細動誘発個体数も遺伝子導入群にて減少していた。さらにウエスタン・ブロット解析では遺伝子導入群で有意なCx43の発現の上昇を、また免疫組織染色ではギャップ結合における有意なCx43の発現の上昇をそれぞれ認めた。選択的心房筋に対するCx43遺伝子導入は心房細動抑制効果を示すことが示唆された。
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