2013 Fiscal Year Research-status Report
転移・再発乳癌におけるエストロゲン作用の解明:内分泌療法の向上をめざして
Project/Area Number |
25460410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10261629)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳癌 / 遠隔転移 / エストロゲン |
Research Abstract |
本研究課題に関する、平成25年度の主な研究成果は以下の如くである。 1.術後再発を来した20例の乳癌組織における遺伝子発現を網羅的マイクロアレイで解析し、GATA4を新たな転移再発関連遺伝子として見いだした。そこで211例の乳癌組織でGATA4の発現を免疫組織化学的に検討した結果、GATA4は27%の非浸潤癌及び31%の浸潤癌に発現し、術後療法に関わらず独立した予後不良因子であった。この研究成果はCancer Scienceに受理され、現在in pressである。 2.手術時に遠隔臓器転移を来していた11例のエストロゲン受容体 (ER) 陽性stage IV症例におけるmicroRNAの発現をマイクロアレイで解析し、対照群(ER陽性stage I-III症例)と比較し、遠隔臓器転移群で著明に高値あるいは低値を示すmicroRNAを検出した。これらは乳癌の遠隔転移機序に密接に関与している可能性が推察され、新規性の高いものも多く含まれている。来年度はその中でも特に重要と思われるmicroRNAに関し、その機能解析を精査する予定である。 3. 種々の乳癌培養細胞に関し、エストロゲン依存性、増殖能、転移能、治療抵抗性等の生物学的特性を検討し、本研究課題における臨床特性を最も反映した転移モデルを決定した。来年度はこれらの細胞をヌードマウスに移植する実験を本格化させ、in vivno解析を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
乳癌の転移再発に関連すると思われる新規性の高い遺伝子やmicroRNAが順調に見いだされており、機能解析や論文化が順調に進んでいる。 一方、平成27年度に解析を予定している転移・再発乳癌組織の収集にはもう少し時間が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 乳癌の転移再発に関連すると思われる新規性の高い遺伝子やmicroRNAの機能解析を引き続き行なう。 2. 本年度は乳癌細胞をヌードマウスに移植しin vivoで転移モデルを解析する予定であったが、現在実験の途上であり、来年度も引き続き行なう予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vivoの実験がやや遅れたため、12,929円未使用額が生じた。 in vivoの実験は次年度に継続するので、平成26年度分とあわせて未使用額をその経費に充てることにしたい。
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