2015 Fiscal Year Annual Research Report
転移・再発乳癌におけるエストロゲン作用の解明:内分泌療法の向上をめざして
Project/Area Number |
25460410
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10261629)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳癌 / エストロゲン / 遠隔転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題に関する、平成27年度の主な研究成果は以下のごとくである。 1。昨年度、手術時に遠隔転移を来していたエストロゲン受容体陽性乳癌(ER陽性Stage IV)症例におけるmicroRNAの発現を網羅的に解析し、miR-1を新たな転移関連microRNAとして見いだした。そこで乳癌組織におけるmiR-1の発現をin situ hybridization法で解析した結果、miR-1は20%の症例で過剰発現し、独立した予後不良因子であることを初めて見出した。この結果はCancer Science誌に受理され、しかもHighlightに選ばれた。 2。miR-1が予後不良性を示す機序を探索したところ、TACC2 (transforming acidic coiled-coil protein 2)への関与が想定された。そこで乳癌組織におけるTACC2の発現意義を検討したところ、免疫組織化学的にTACC2は独立した予後不良因子で、培養細胞実験の結果TACC2が乳癌細胞の増殖を促進することが初めて明らかとなった。この成果はCancer Medicine誌に受理された。 3。ER陽性Stage IV症例の凍結検体(8例)を用いて対照乳癌症例(Stage I-III)とともに網羅的マイクロアレイを行った。その結果Stage IV症例に特異的な遺伝子プロファイルが明らかとなり、Stage IVで高発現する遺伝子85個、低発現する遺伝子114個をリストアップした。現在その代表例に関し乳癌における発現意義を精査中で、その後に論文化する予定である。
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