2014 Fiscal Year Research-status Report
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25460412
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森川 鉄平 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80451772)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / 免疫微小環境 / リンパ球浸潤 / 予後因子 / 胃癌 / 尿路上皮癌 / 腫瘍関連マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、各種癌組織におけるリンパ球やマクロファージの浸潤パターン、すなわち免疫微小環境が有用な予後予測マーカーとなりうるかどうか検討することを目的としている。 今年度は、胃癌におけるCD204陽性腫瘍関連マクロファージの密度が予後予測因子となりうるかどうか検討した。119例の胃癌手術検体から組織マイクロアレイを作成し、CD204に対するモノクローナル抗体を用いて免疫組織化学染色を行った。免疫染色標本をバーチャルスライドスキャナを用いてデジタルデータとして取り込み、CD204陽性細胞密度を画像解析ソフト(Tissue Studio)を用いて定量的に測定し、生存解析を行った。 CD204陽性細胞の密度は高齢者、進行癌、脈管侵襲陽性の症例で有意に高く、EBウイルス関連胃癌で有意に低かった。単変量解析にて、CD204陽性細胞の密度が高い症例群は、全生存期間および癌特異的生存期間が短かった。多変量解析でも、CD204陽性細胞密度が高い症例群は、癌特異的生存期間が短かった。 以上の結果より、胃癌における高密度のCD204陽性マクロファージの存在は新たな予後不良因子となりうることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、免疫微小環境を反映する分子マーカーが複数の癌種において新たな予後予測因子となりうることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに癌種を増やして検討する。また、癌精巣抗原の発現など、免疫微小環境に影響を及ぼしうる癌細胞の因子についても検討を行う。
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Causes of Carryover |
必要な試薬は5万円以上のものが多いため、5万円に満たない残額は次年度の予算と合わせて使用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
抗体などの物品費に使用する予定。
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Research Products
(5 results)