2014 Fiscal Year Research-status Report
NK/T細胞リンパ腫のプロテオーム解析による病態解明と臨床応用
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25460436
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本間 圭一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20505945)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はNK細胞リンパ腫細胞株のプロテオーム解析を行い、正常NK細胞との対比により腫瘍で発現亢進を示す蛋白質をスクリーニングし、抽出された4個の候補蛋白質についてウエスタンブロットによる確認を行った。これらの蛋白質の臨床検体における発現を見るため、パラフィン標本を用いた免疫染色を行い、4個のうち2個の蛋白質において臨床検体でも発現の亢進を認めた。これら2個の蛋白質の機能解析としてまず、NK細胞リンパ腫のほぼ全例に確認されるEBウイルス感染との関連を検討した。正常NK細胞にEBウイルスの感染は困難であることがすでに知られているので、EBウイルス感染の代替手段としてEBウイルス関連遺伝子で造腫瘍性に関係することが知られている、EBER1およびBALF1遺伝子をtandem expressionのレンチウイルスを用いて遺伝子導入した。正常NK細胞、およびEBウイルス関連遺伝子を導入したNK細胞に、プロテオーム解析で抽出した2個の候補遺伝子を発現させて細胞増殖、不死化について検討した。EBウイルス関連遺伝子のみでのNK細胞の細胞増殖、不死化への影響は見られなかった。1個の候補遺伝子はMTSアッセイによる細胞増殖能の亢進が見られたが、細胞寿命に関しては有意な差は見られなかった。残りの候補遺伝子に明らかなトランスフォーム活性は見られなかった。次にNKリンパ腫細胞株において候補遺伝子をノックダウンすることで機能解析を行った。候補遺伝子2個ともにノックダウンすることで、NKリンパ腫細胞株はアポトーシスが誘導され、腫瘍の生存、維持に必須であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常NK細胞へのウイルス感染高率が悪く遺伝子導入株の選択がやや困難であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスにおける造腫瘍性の確認や、候補遺伝子の遺伝子変異、転座等の検討を行う。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で、実験系の見直し等適正使用につとめ必要に応じて研究費を執行したためと、ウイルス濃縮キットとFUGENE HDの納品が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた使用額とは異なったが、次年度納入される上記消耗品と併せ今年度使用予定の研究計画とともに、当初予定通りの計画を進めていく。
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