2013 Fiscal Year Research-status Report
SLCトランスポーター発現による胃癌化学療法の効果予測
Project/Area Number |
25460455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鴨志田 伸吾 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (70351020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 路子 (田中 路子) 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40207147)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃癌 / 化学療法 / 効果予測 / SLCトランスポーター / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
当初は計11種類のSLCトランスポーターを検討する計画であったが、さらに3種類を検出対象として追加することにした。これらのトランスポーター(計14種類)に対する市販抗体を入手し、至適染色条件を検討した。抗原賦活化処理として、CTR1に対しては蛋白分解酵素(プロナーゼ)が適していたが、他のトランスポーターに対しては加熱処理が必須であり、最適な加熱溶液は抗体ごとに異なっていた。また、手術切除材料を対象としてOAT2を検出する場合は固定による染色ムラを伴い、それを軽減するために3ステップポリマー法を使用する必要があった(OAT2以外はすべて2ステップポリマー法で検出可能であった)。一方、CTR1については8年以上前に作製されたブロックからの標本からは検出できないことも明らかになった。 すべての抗体について、細胞膜(抗体によっては細胞質も)に局在することが確認された。平成25年度の研究計画における対象症例としては、S-1/cisplatinないしpaclitaxel/cisplatinによる術前化学療法を施行した胃癌(計50例)が選出された。これら症例のパラフィン切片に対して、SLCトランスポーターの免疫組織化学染色を順次実施している。プラチナ系抗癌剤の取込トランスポーターであるOCT2については、発現レベルと術前化学療法の効果との関連性を解析し得ている。すなわち、OCT2高発現は組織学的効果判定基準のGrade 0・1の症例の32%、Grade 2症例の44%およびGrade 3症例の100%に認められ、OCT2高発現率が組織学的効果に相関する傾向が示された(P = 0.09)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OCT2以外のSLCトランスポーターについては、それらの発現と化学療法の組織学的効果等との関係を解析するまでには至らなかった。その理由として、5種のトランスポーター(OAT2、ENT1、CTR1、OATP1A2およびOATP1B1)については、ホルマリン固定パラフィン切片に対して使用できる抗体を選出するために、複数メーカーの製品を順次評価しなければならなかったことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進行遅延を取り戻すべく、急ピッチで免疫組織化学染色を完了させる。引き続いて、染色結果のスコア化、臨床病理学的因子や化学療法の効果との統計学的解析についても出来る限り迅速に実施していきたい。
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