2013 Fiscal Year Research-status Report
認知症特異的リゾリン脂質シグナリング解明および改変による幹細胞治療
Project/Area Number |
25460479
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
千葉 俊明 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20367361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 泰造 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70346253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / リゾリン脂質 / 幹細胞 |
Research Abstract |
予定していたアミロイド型およびタウ型認知症モデルマウスの各々において、飼育機関での飼育・管理の規制・方法が本学動物舎の規定にそぐわない為、当大学への搬入には、SPF化が必要となる事が判明した。SPF化への時間浪費を避ける為、また、遅れを取り戻す為に、系統樹立用認知症モデルマウスを米国より搬入し、繁殖を開始した。ホモマウスによる交配には、低出生率であることも予想されたが、現在約20匹の子孫を確保することができ、安定した系統樹立と、よりヒトのアルツハイマーに近いモデルの作製に成功した。また、オートタキシン、リゾフォスファチジルリン酸(LPA)受容体1型、LPA受容体4型の発現解析においては、それぞれを高発現するSNB78脳細胞株を用いて、real time PCR法による遺伝子発現量を定量的に評価できる系を確立した。対象マウスの週齢を待って、随時解析の予定(5月で3か月齢オス8匹を確保)である。また、行動機能評価に関しても、繁殖後のマウスが予想症状発現時期の3か月齢に達していないため、継時的な認知機能評価が行えていないが、6か月齢の親マウスによる水迷路および8の字放射状迷路の評価方法の確立は終了している為、週齢を待って随時解析の予定である。 また、次年度は解析の遅れを取り戻せるよう、評価予定であった、脳組織による免疫蛍光染色法およびウエスタンブロット法による蛋白定量法、また、プルダウンアッセイ法によるLPAシグナリング下流におけるRhoシグナリングの定量解析などの評価系や神経幹細胞の抽出と培養方法の確立を前倒しで成功しており、繁殖後のマウスの週齢を待ってすぐに解析を行える体制を確保している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた遺伝子組み換えマウスの搬入に関して、研究者の原因でない不測の事態があり、対象としていた遺伝子組み換えマウスの変更および変更後の対象マウスを米国より輸入せざる得なかった為、研究進行に支障を来した。但し、輸入後の繁殖にも成功し、実験開始に必要なマウス匹数に関しても、5月中に確保できる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子組み換えマウスの系統樹立に遅れが見られた為、全体的な計画がやや遅れているものの、その後に評価に必要な行動実験系の確立や次年度以降に評価予定であった発現遺伝子定量評価、免疫染色、蛋白定量などの評価系の確立、および神経幹細胞の抽出・培養方法の確立には前倒しで成功しているため、繁殖マウスの週齢を待つ事で、次年度以降は遅滞なく研究進行ができると考えている。
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