2014 Fiscal Year Research-status Report
認知症特異的リゾリン脂質シグナリング解明および改変による幹細胞治療
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25460479
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
千葉 俊明 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20367361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 泰造 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70346253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / リゾリン脂質シグナル / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症モデルマウス、オスを用いて行動機能評価を行い、6か月齢以降での機能障害があることを確認できた。また、12か月齢脳組織において海馬の委縮が見られる事も確認できた。6か月齢認知症マウスより神経幹細胞を抽出し、培養を試みたが、(正常マウスと同様に)神経塊を一旦は形成するものの、その後の増殖が見られないことがわかり、やはり、認知症においては神経幹細胞は存在するが、何らかの機序により、神経幹細胞における増殖もしくは性質維持が困難なことが判明した。この増殖抑制機序におけるLPAシグナリングの関与を当初より想定している為、LPA、もしくはLPA1シグナルをブロックするKi16425、Rhoキナーゼ阻害薬等添加培地による増殖改善効果を検討している。また、増殖後の神経幹細胞におけるLPARの発現強度をリアルタイムPCRにて解析する予定である。来年度に計画する治療効果判定の為のマウス繁殖も随時行っており、週齢確保にも成功している状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知症由来の神経幹細胞の培養には成功したが、結果として増殖・維持においては困難であった。この事は認知症において、神経細胞が脱落・減少していく本来の機序と類似する結果であり、想定していた。現在はLPAシグナル改変による増殖改善を試みている為、その改変薬に効果があれば、動物への投与によって、治療に直結する成果が得られるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症由来神経幹細胞増殖効果があるLPAシグナル関連薬を同定し、かつ、モデルマウスへの投与を行い、治療効果を行動機能試験にて判定する。また、治療有無における脳組織評価も行動機能試験終了後に同時に行う予定である。
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