2014 Fiscal Year Research-status Report
癌遺伝子YAP/TAZのタンパク質相互作用ネットワーク解析と腫瘍形成における役割
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25460482
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
村上 秀樹 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90303619)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TAZ / 類上皮血管内皮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
YAP/TAZは様々な腫瘍での腫瘍形成に関与すると考えられ、新たな癌治療の有力な分子標的として注目されている。本研究ではYAP/TAZの腫瘍における役割とYAP/TAZを中心としたタンパク質相互ネットワークの解明目指す。様々な腫瘍組織でYAP/TAZの発現を免疫組織化学染色で検討したところYAPは扁平上皮癌、中皮腫などで発現の増加がみられた。TAZは基底細胞癌、甲状腺乳頭癌、乳癌などで発現が認められた。近年、血管系腫瘍の一つである類上皮血管内皮腫においてTAZとCAMTA1あるいはYAPとTFE3遺伝子の転座による融合遺伝子の発現がみられ、腫瘍形成に重要であることが示された。類上皮血管内皮腫症例でTAZ,CAMTAの発現を免疫組織化学染色により検討したところCAMTA1は核内に強い発現がみられた。血管肉腫でもCAMTA1の核内での発現がみられた。CAMTA1陽性の類上皮血管内皮腫2例、血管肉腫2例のパラフィン切片よりRNAを抽出し、TAZ/CAMTA1の融合遺伝子を検出したところ、類上皮血管内皮腫ではTAZ Exon2-CAMTA1 Exon9, TAZ Exon 3-CAMTA1 Exon9の融合遺伝子が検出されたが、血管肉腫では融合遺伝子は検出されなかった。類上皮血管内皮腫の診断には融合遺伝子の検出が有用であると考えられた。YAP/TAZに結合する分子を同定するために、Flag-HAをtagしたTAZ/CAMTA1, TAZ, CAMTA1を発現するレンチウイルスベクターを作製し、ヒト正常皮膚血管内皮細胞に発現させた。各タンパクをtandem affinity精製し抽出された蛋白中にTEAD3/4などの転写因子が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血管内皮細胞でのウイルスの感染効率が低く、大量のウイルスを得る必要があり、またウイルス感染細胞を薬剤で選択しており、解析に必要な細胞量を得るのに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
TAZ/CAMTA1, TAZ, CAMTA1を感染させた血管内皮細胞よりaffinity精製した複合体の質量分析による同定を行っていく。また各発現細胞での細胞増殖、運動能に与える影響、発現解析を行っていく。同定された複合体分子の機能解析を行い、腫瘍形成における役割を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
繰越金額が生じた理由としては質量分析解析に必要な試料を得るのに時間を要し、本格的な質量分析解析を行えなかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の直接経費は、平成27年度交付申請額130万円と平成26年度からの繰越額1,505,136円を合わせると2,805,136円である。 平成27年度の使用計画は以下の通りである。質量分析解析を中心に行っていく予定で、必要な試薬に主に使用する。生化学的解析および細胞培養に必要な試薬、消耗品購入に使用する。
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Research Products
(1 results)