2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒトがん間質の"抗腫瘍性"免疫微小環境形成の分子機序に関する研究:EBI3の検討
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25460486
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
平岡 伸介 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, その他 (40276217)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵がん / EBI3 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん間質の免疫微小環境はがんの生物学的特性と密接な関係にある。本研究ではがん間質におけるEBI3分子の機能とそれに至る機序の解析を通して、免疫微小環境形成機序に迫ることを目的とする。 3つの膵がんコホート(含100-200例)を用いた検討により、EBI3遺伝子発現の高い症例群が低い症例群に比較して有意に長い生存を示し、同様に、EBI3発現細胞ががん間質に多く浸潤している症例群が浸潤の少ない症例群に比較して有意に長い生存を示した。いずれも多変量解析の結果有意な因子として残ることから、独立した予後因子であると考えられた。EBI3分子はIL6-IL12スーパーファミリーに属し、IL-12AやIL-27Aと会合してヘテロダイマーを形成し、それぞれサイトカインIL-35、IL-27として機能することが知られている。膵がん間質においてEBI3分子の生化学的性状を検討する目的で、EBI3分子と結合可能なIL-6 – IL-12スーパーファミリー分子について質量分析、ELISA設定を実施している。 またドミナントネガティブ型EBI3分子を発現するトランスジェニックマウスを作成し、EBI3の機能について腫瘍免疫の立場から解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ELISA設定のために多くの抗体を作成し、予想以上の時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
EBI3のがん微小環境における特性についてヒト膵がんからの所見をまとめ、マウスモデルでの検証をする。またトランスジェニックマウスを用いた化学発がん実験によりEBI3の抗腫瘍活性について検討する。
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Causes of Carryover |
予定通りに助成金を使用した結果、1000円未満の余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画に変更無く、次年度使用額に加える。
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