2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトがん間質の"抗腫瘍性"免疫微小環境形成の分子機序に関する研究:EBI3の検討
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25460486
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
平岡 伸介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40276217)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | EBI3 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん間質の免疫微小環境はがんの生物学的特性と密接な関係にある。本研究ではがん間質におけるEBI3分子の機能とその機序の解析を通して、免疫微小環境形成機序に迫ることを目的とする。 平成27年度はDominant negative型EBI3発現トランスジェニックマウスの解析を実施した。トランスジェニックマウスとコントロールマウス間での化学発がんの違いを比較し、腫瘍部への免疫細胞浸潤や遺伝子発現等の宿主免疫反応の違いについても比較検討した。化学発がん系は、発がん剤投与皮膚扁平上皮癌発がん系では野生型に比較してDominant negative型において有意に早くから扁平上皮乳頭腫が形成され、また最終的に腫瘍形成を認めた個体数も有意に多かったが、乳頭腫から扁平上皮がんへの発がん速度に有意な差はなかった。一方、発がん剤皮下注入後の線維肉腫発がん系ではDominant negative型と野生型で腫瘍発生速度や腫瘍発生個体数に有意な差を得なかった。発がん剤皮下注入後の線維肉腫発がん系では、変異型EBI3分子の発現する上皮細胞と離れた皮下組織内に腫瘍が形成されることで変異型EBI3の影響を受けなかったと推測された。 EBI3と会合分子のヘテロダイマーを強制発現させた腫瘍細胞による同種皮下腫瘍移植マウスモデルでは、上記と同様にEBI3と会合分子による腫瘍増殖抑制・腫瘍拒絶効果が認められた。 臨床検体を用いた検討において、膵がんの他の固形がんにおいても予後因子になり、EBI3による抗腫瘍性効果が一般的に固形腫瘍で認められることが示唆された。
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Research Products
(2 results)