2013 Fiscal Year Research-status Report
核内受容体による非アルコール性脂肪肝炎発症経路の解明と治療応用への基盤構築
Project/Area Number |
25460490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
井上 裕介 群馬大学, 理工学研究院, 准教授 (90304302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 政清 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70379840)
行木 信一 群馬大学, 理工学研究院, 准教授 (80302959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HNF4α / PPAR / NASH |
Research Abstract |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は脂肪肝から肝硬変、肝細胞癌へと進行する予後不良の疾患である。NASHの原因は様々であり、確立された治療法は存在しない。我々は、肝臓特異的HNF4α欠損マウス(KOマウス)が、NASHを発症し、KOマウスに核内受容体PPARαを欠損させたダブルKOマウスはNASHを改善することを見出した。本研究では、HNF4αとPPARαを介したNASH発症機構の解明とNASH治療薬開発への応用を目的としている。KOマウス肝臓では、PPARαのmRNAおよびタンパク質の発現の低下、加えてゲルシフトアッセイによるDNA結合活性が低下していたため、KOマウス肝臓で発現が上昇しているPPARα標的遺伝子3種類について、ChIPアッセイによる肝臓内でのPPARαのPPARα結合部位(PPRE)への結合能を解析した。その結果、3種類のPPARα標的遺伝子すべてについて、KOマウスでPPARαの結合能の上昇が認められた。一方、PPARβ、PPARγ、PGC1αについてはPPREへの結合能にKOマウスで変化は認められなかった。従って、PPARα標的遺伝子群を転写活性化している因子はPPARβ、PPARγではなくPPARαであることが明らかになった。以上の結果から,KOマウス肝臓では、PPARαタンパクの発現量は低下しているが、内在性リガンドにより活性化され、その結果PPARα標的遺伝子群の発現を上昇させていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PPARαの活性化によるPPARαの転写活性化が検証できた。しかし、PPARαのリガンドの同定は進行中であるが、まだ同定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、PPARのリガンドの同定を行う。また、マウスを用いてNASH改善の検証や肝癌との関連性を解析する。
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Research Products
(10 results)