2013 Fiscal Year Research-status Report
がん・炎症病態におけるマクロファージの活性化―新たなメカニズムの解明に向けて
Project/Area Number |
25460497
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
菰原 義弘 熊本大学, 生命科学研究部, 講師 (40449921)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | マクロファージ |
Research Abstract |
敗血症性ショックにおけるCD163の役割を解明するために、大腸菌由来のLPSをマウスの腹腔内に投与し敗血症性ショックモデルを作成した。LPS投与により約3割のマウスが死亡した。生き残ったマウスの組織を調べると脾臓マクロファージにおけるCD163の発現増加が認められた。培養実験でも、マクロファージをLPSで刺激するとCD163の発現が有意に増加した。 CD163ノックアウトマウスでLPS投与実験を行うと死亡率が約2倍に増加した。血中のサイトカインを測定するとCD163ノックアウトマウスでは抗炎症性サイトカインであるIL-10の濃度が低く、炎症性サイトカインであるIL-6やIL-1βの濃度が有意に高かった。 CD163が敗血症性ショックで重要な役割を果たしていることが示唆されたが、今後詳細なメカニズムを解析する予定である。 腎細胞癌における癌幹細胞と、マクロファージの重要性についても検討を行っている。癌幹細胞マーカーであるCD44の陽性部位では、CD163陽性マクロファージの浸潤が高く、CD163陽性マクロファージが癌幹細胞を誘導している可能性が考えられた。癌細胞とマクロファージを共培養すると癌細胞におけるCD44の発現が増加した。 CD163ノックアウトマウスにおいて癌の発育を調べたところ、CD163ノックアウトマウスでは野生型に比べて、癌の大きさが小さい傾向があった。このことからCD163がマクロファージと癌細胞の細胞間相互作用に関与していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD163ノックアウトマウスを用いた実験が主体であるが、敗血症モデルの検討や発癌モデルの検討など、予定計画の70%程度は達成出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に到達出来なかった部分も急ぎで仕上げると共に、当初の予定通り研究を遂行する。大幅な予定変更はない。
|
Research Products
(5 results)