2014 Fiscal Year Research-status Report
ロイシン添加によるオートファジー不全の改善機序を新規膜蛋白質Spin1から探る
Project/Area Number |
25460510
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
柳澤 比呂子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム分野, 研究員 (60416659)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / ロイシン / ライソゾーム / Spin1 / p62 / mTOR |
Outline of Annual Research Achievements |
ライソゾーム病の一つであるニーマンピック病のモデルマウス由来シュワン細胞株(573C10)を用いて、血清飢餓、ロイシン添加によるオートファジー動態を解析した。 これまでの研究において、血清飢餓処理により、ライソゾームが増大し、LC3IIやp62の発現量が増加し(WB)、p62の細胞内蓄積(IF)が観察された。さらにLC3代謝実験により、オートファジー不全であることを示した。 今年度は光学顕微鏡で見られたライソゾームが増大した領域の構造体を電子顕微鏡で詳細に観察した。内部には、大きな空胞があり、多数の異常な膜状構造物が内包されていた。ロイシン添加により、p62の細胞内蓄積が減少するため、オートファジー不全が改善すると推定された。そこで、マイクロアレイ法を用いて、コントロール(通常培地での培養)、血清飢餓処理とロイシン添加処理による遺伝子発現の挙動を解析した。ロイシン添加により発現量の変化した遺伝子を特定するため、遺伝子解析ソフトを用いた結果、アミノ酸、カリウム等のトランスポーター遺伝子群が同定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロイシン添加により、増大したライソゾームを減少させ、オートファジー不全に寄与すると予想される候補因子を同定し、研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Spin1とロイシン添加によるオートファジー不全との関係を明らかにするため、現在、Spin1が恒常的に発現する細胞株を作成中である。この細胞株を用いて、ロイシン添加により、オートファジー不全に寄与すると予想される候補因子について、同じ動態を示すのか、qPCRやWBで検討する。また、Spin1が恒常的に発現する細胞株における細胞内のアミノ酸代謝が変化しているか解析する予定である。さらに、SiRNAにより、Spin1のノックダウン細胞でのオートファジー動態を検証し、Spin1とロイシン添加によるオートファジー不全との関係やニーマンピック病との関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
論文校正費用として計上していたが、研究結果を精査するには多方面からの検証が不可欠であり、論文作成に至らなかった。次年度の論文作成を目的として、論文校正費用は必要経費である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、血清飢餓処理やロイシン添加による変動する候補遺伝子群の発現を、Spin1が恒常的に発現する細胞株で解析する。そのために研究費の使途としては、分子生物学的解析試薬や細胞培養、画像解析などに関わる経費を予定している。 研究成果の発表に関わる経費としては、論文の校正費用、投稿掲載料、オンライン公開料、および学会発表のための出張費と参加費などを予定している。
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Research Products
(2 results)