2014 Fiscal Year Research-status Report
無細胞膜タンパク質合成技術を基盤とした熱帯熱マラリア原虫の赤血球レセプター探索
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25460517
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高島 英造 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (50366762)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分子寄生虫学 / 生化学 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
赤血球表面のタンパク質は膜貫通領域を持つ膜タンパク質である。そのため赤血球レセプター分子の網羅的な探索技術の開発は、「膜タンパク質の合成」という大腸菌等の既存のタンパク質合成法では実施困難な技術的障壁に阻まれていた。最近当センターでは、リポソームを添加したコムギ無細胞系を用いてタンパク質を合成するとプロテオリポソームが形成され、様々な膜タンパク質が高確率で合成される技術を確立した。さらに、ビオチン化プロテオリポソームを利用したアルファスクリーンによる膜タンパク質相互作用のハイスループットスクリーニング系も確立した。そこで申請者は、赤血球表面の膜タンパク質をビオチン化プロテオリポソーム上に合成し、マラリア原虫赤血球レセプター分子の網羅的な探索を行う本研究を着想した。 赤血球表面タンパク質ライブラリーの構築に予想よりも時間がかかってしまい、予定していたアルファスクリーニングを基盤とした、原虫リガンド-赤血球レセプター相互作用スクリーニングは未だ達成されていない。そこで、実験方法と実験計画を見直すことにした。当初から当該年度に実施予定だった免疫沈降法によるタンパク質複合体の検出を前倒しで行った結果、GAMAと相互作用するタンパク質、GAMA associated protein (GAAP) を同定することができた。続いて、組換えGAMA-GAAPタンパク質複合体をin vitro再構成を試みた。組換えGAAPタンパク質のN末端にビオチン、組換えGAMAタンパク質のN末端にGSTタグを付加したものを用意し、お互いを混合してインキュベートした後、タンパク質複合体形成をアルファスクリーンで検出した。その結果、タンパク質複合体形成特異的なシグナルを検出することができた。以上のことから、複合体形成を確認できただけでなく、当該複合体を標的にした薬剤スクリーニング系の確立に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を見なおした結果、交付申請書に記載した「研究目的」の前半である「スクリーニング系の確立」の研究期間内での達成は難しいと考えられる。しかしゴールである「原虫リガンドと相互作用するタンパク質の同定」は達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Biacoreによる表面プラズモン共鳴解析を行い、当該タンパク質複合体の解離定数など詳細な生化学的なパラメターを明らかにすることを予定している。またゲルろ過による分子量測定を行い、当該複合体がどのようなサブユニット構造を持つのかについても検討予定である。また、複合体に対する抗体や、阻害剤を見出すことによって、当該タンパク質複合体の原虫侵入に於ける機能を明らかにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
年度末直前で出張予定を変更したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
直接経費として使用する予定
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Research Products
(2 results)