2013 Fiscal Year Research-status Report
新規遺伝子ノックアウト技術に基づく疾病媒介蚊の殺虫剤抵抗性機構の解明
Project/Area Number |
25460525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
冨田 隆史 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20180169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒形 修 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 研究員 (20435712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / ネッタイイエカ / 殺虫剤抵抗性 / シトクロムP450 / 過剰発現 / 遺伝子ノックアウト / TALENs / CRSPR/Cas9 |
Research Abstract |
Sanjanaら(Nature Protocols 7, pp171, 2012)のTALE toolbox法によりCYP9M10のコード領域を標的とするTALENsを2組作成した。作成したTALENsは昆虫細胞を用いたSSAアッセイ法で僅かな活性が見られたが、実際に個体にマイクロインジェクションした際にnon-homologous end-joining (NHEJ)による標的部位への変異導入は観察することができなかった。近年TALENとは別のゲノム編集技術としてCRSPR/Cas9法(Jinek M et. al., Science. 17, 337(6096), pp816, 2012)が注目されている。CRSPR/Cas9は標的部位にカスタマイズしたコンストラクトを作ることがTALENよりも容易であることが特徴である。そこで、CYP9M10を標的にしたCRSPR/Cas9のgRNAコンストラクトを作成しその効果を確認することにした。gRNAとCas9のmRNAをマイクロインジェクションした数十個体の内数個体(G0世代)に、NHEJによる標的部位への変異導入が見られた。観察された変異の種類は、主に10-60塩基程度の長さの欠失で、フレームシフト型はCYP9M10遺伝子の機能を欠失していると考えられる。今後、インジェクションを行なったG0世代を親系統と掛けあわせ、knock-outされたアレルが遺伝した子孫を得ることを試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胚細胞に対するゲノム編集の効果がG0世代個体で確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ゲノム編集によるノックアウト・モザイク個体の生存率を上げるために,マイクロインジェクションの方法を改良すること,もしくは,CRSPR/Cas9の作用部位を変えて設計し直し,処理後生存個体におけるノックアウト遺伝子率を向上させた後に,当初の予定に沿い,ノックアウト系統確立のための選抜と交配実験に臨む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.既存の類似品に使用の空きができたため,交付申請時に購入を予定していた人工気象器購入を差し控えた。 2.2013年度使用旅費の精算が遅れ,次年度に行われる予定となっている。 ゲノム編集の効率を上げるために,ノックアウト導入部位を違えた異なるTALENsとCRSPR/Cas9を再構築する物品費に充当する。
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