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2014 Fiscal Year Research-status Report

新規遺伝子ノックアウト技術に基づく疾病媒介蚊の殺虫剤抵抗性機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25460525
Research InstitutionNational Institute of Infectious Diseases

Principal Investigator

冨田 隆史  国立感染症研究所, その他部局等, 室長 (20180169)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 駒形 修  国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (20435712)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords殺虫剤抵抗性 / シトクロムP450 / 遺伝子重複 / 遺伝子過剰発現 / 遺伝子ノックアウト / TALEN / CRISPR/Cas9
Outline of Annual Research Achievements

ピレスロイド抵抗性のネッタイシマカJPP系統では,本種に約180あるシトクロムP450遺伝子の内の一であるCYP9M10のシス作用性変異による過剰発現が抵抗性と遺伝学的に強い相関があり,過剰発現性を示すCYP9M10ハプロタイプは近年の自然集団に地球規模で拡散していることが示されている。本年度は,前年度に準備したゲノム編集用ツールを使い,JPP系統をもとにCYP9M10遺伝子の欠損系統を作出し,遺伝子欠損の殺虫剤感受性に及ぼす効果を確かめた。

JPPの卵(G0)にCYP9M10を標的とするTALEN mRNAまたはCRISPR/Cas9を構成するCas9 mRNA+gRNAのインジェクションを行い,処理G0個体と無処理JPP個体の交配で得たG1において変異アレルを確認した。CYP9M10はJPP系統で縦列重複しており,上流と下流にあるコピーをそれぞれCYP9M10のv1とv2として表している。TALENによりv1とv2のそれぞれ一方が欠損したハプロタイプを持つ系統を得た。CYP9M10v2の欠損アレルを持つ系統では,無傷のCYP9M10v2アレルも同時に持っていたため,CYP9M10v2は当初予想していた1コピーではなく2コピー(つまりCYP9M10は計3コピー)であることが新たに判明した。さらに,CRISPR/Cas9により全CYP9M10コピーが同時に欠損した系統も得た。

各欠損系統のペルメトリン感受性を調べると,CYP9M10が全て欠損した系統では100倍に近い感受性の増大が見られた。一方,JPP系統では3コピ-あるCYP9M10のうちのいずれか一つだけが欠損した系統では,顕著な感受性の変化は認められなかったことから,重複したCYP9M10はそれぞれ同程度に抵抗性に寄与しているが,1コピーの機能損失だけでは表現型にほとんど影響しないことが考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

CYP9M10遺伝子の縦列重複ハプロタイプ(CYP9M10v1-CYP9M10v2-CYP9M10v2)をもつJPP系統ネッタイイエカをベースにして,ゲノム編集により,v1アレルまたはv2アレルのいずれか一方の欠損体と3つの遺伝子コピー全ての欠損体を得て,それぞれの欠損体のホモ接合体系統を作出し,本年度の研究実施計画をほぼ達成した。

3つの遺伝子コピーが全て欠損したホモ接合体で,ペルメトリン抵抗性がJPP蚊に比べ1/100に低下したことから,CYP9M10遺伝子の過剰発現がピレスロイド代謝抵抗性の原因変異であることを逆遺伝学的に証明することができた。

Strategy for Future Research Activity

1. 今年度のゲノム編集実験の成果を補強する計画として,まだ得られていないCYP9M10遺伝子の2コピー欠損体における抵抗性低下への効果を見ること,各種CYP9M10欠損体を複数系統分作出してオフターゲット変異の影響を極力排することなどを通じ,CYP9M10発現量(または遺伝子量)とピレスロイド代謝抵抗性の相関性を詳細に解析する。

2. CYP9M10遺伝子の過剰発現の原因となるしす作用性変異を解明する目的で,蚊培養細胞を用いるレポーターアッセイを行う。

Causes of Carryover

年度末納品等にかかる支払いが2015年4月1日以降となったため,当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。

2014年度分についてはほぼ使用済みである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

上記のとおり。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ゲノム編集による殺虫剤解毒酵素遺伝子のノックアウト2015

    • Author(s)
      糸川健太郎,小川浩平,駒形修,冨田隆史
    • Organizer
      第59回日本応用動物昆虫学会大会
    • Place of Presentation
      山形大学小白川キャンパス
    • Year and Date
      2015-03-26 – 2015-03-28

URL: 

Published: 2016-05-27  

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