2015 Fiscal Year Annual Research Report
C型とD型ボツリヌス毒素変換ファージの尾部吸着タンパク質と宿主菌レセプターの解析
Project/Area Number |
25460541
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阪口 義彦 北里大学, 医学部, 助教 (70403491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 茂展 高知大学, 医歯学系, 准教授 (00190439)
内山 淳平 麻布大学, 獣医学部, 講師 (20574619)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ボツリヌス菌 / 人畜共通感染症 / ボツリヌス毒素遺伝子 / バクテリオファージ / 水平伝播 / ファージ変換 / ゲノム解析 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
C型とD型ボツリヌス菌は、産業動物(ウシ、ウマなど)に致死性の高い感染症(ボツリヌス症)を引き起こすことから、食品・畜産業界への被害が深刻である。C型とD型毒素遺伝子は、バクテリオファージ(毒素変換ファージ)により、主に近縁種間で伝達されている。このため、ボツリヌス症の被害を抑制する有効な感染制御法として、毒素変換ファージの宿主認識メカニズムを解明し、その本体を十分に理解することが重要である。最終年度では、C型毒素変換ファージ、c-stファージの宿主認識分子を同定するために、1)c-stファージ尾部タンパク質および2)c-stファージ由来溶菌酵素の解析を行なった。 1)c-stファージのゲノム情報およびタンパク質の質量分析器とN末端アミノ酸分析器を用いた解析により、c-stファージゲノム上の98-158 kbp領域にファージタンパク質をコードするopen reading frame (ORF)が存在することが示唆された。その中で、ORF 160とORF 165のタンパク質に対するウサギポリクロナール抗体(一次抗体)を用いたイムノゴールド染色を行い、電子顕微鏡により観察すると、ORF 160はファージの尾(鞘)、ORF 165はファージの頭を構成するタンパク質であることが明らかとなった。現在、98-158 kbp領域の個々のORFについても同様な手法により、ファージを構成するタンパク質の解析を行なっている。 2)ファージタンパク質をコードするORF 領域で、既に公開されているデータベース上の遺伝子との相同性を調べると、ORF108とORF155が溶菌酵素の可能性が考えられた。そこで、2つの遺伝子を個別に発現ベクターに構築し、大腸菌発現系または枯草菌発現系を用いて、組換えタンパク質として発現させその精製を試みた。しかしながら、いずれの組換えタンパク質も発現量および精製量が少なかった。現在、培養の時間や温度などの条件を検討している。また、他の数種類の発現ベクターへの構築も行っている。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Characterization of Pseudomonas aeruginosa phage KPP21 belonging to family Podoviridae genus N4-like viruses isolated in Japan2016
Author(s)
Shigehisa, R., Uchiyama, J., Kato, S., Takemura-Uchiyama, I., Yamaguchi, K., Miyata, R., Ujihara, T., Sakaguchi, Y., Okamoto, N., Shimakura, H., Daibata, M., Sakaguchi, M., Matsuzaki, S.
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Journal Title
Microbiol. Immunol.
Volume: 60(1)
Pages: 64-67
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] The genome sequence of Clostridium botulinum type C phage and functional analysis of gene products2016
Author(s)
Sakaguchi, Y., Uchiyama, J., Ogura, Y., Yamamoto, Y., Matsuzaki, S., Hayashi, T., Matsushita, O., Oguma, K., Hayashi, S.
Organizer
第89回日本細菌学会総会
Place of Presentation
大阪国際交流センター(大阪府大阪市)
Year and Date
2016-03-23 – 2016-03-25
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[Presentation] C型ボツリヌス毒素変換ファージの生存に必要なゲノム領域の解析2015
Author(s)
阪口義彦、内山淳平、 Oliva, M. A.、Martin-Galiano, A. J.、Andreu, J. M.、小椋義俊、山本 由弥子、松崎茂展、林 哲也、小熊惠二、林 俊治
Organizer
平成27年度AKPS研究集会、第18回北里微生物アカデミー
Place of Presentation
北里大学(神奈川県相模原市)
Year and Date
2015-08-06
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