2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25460544
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| Research Institution | Jichi Medical University |
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Principal Investigator |
下村 裕史 自治医科大学, 医学部, 准教授 (80348002)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | ピロリ菌 / ステロイド / 不飽和脂肪酸 / 飽和脂肪酸 / グリセロリン脂質 / 極狭域スペクトル抗菌薬 / 狭域スペクトル抗癌剤 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、ピロリ菌除菌治療に特化した抗菌薬 (抗ピロリ菌薬) の開発を目的として、プロゲステロンを基本母核構造としたプロゲステロン誘導体 (17hPLおよび17hPA) を新規に合成し、17hPLおよび17hPAのピロリ菌に対する抗菌活性および抗菌作用機序について検討をおこなった。
17hPLおよび17hPAは、ピロリ菌に対して選択的な殺菌作用を示し、大腸菌などの他の一般的な細菌に対しては全くその作用を示さなかった。17hPLおよび17hPAのピロリ菌に対する選択的な殺菌作用機序の解析を試みた結果、17hPLおよび17hPAは、ピロリ菌細胞に特徴的な膜脂質に対する選択性の高い結合親和性によってピロリ菌細胞膜に結合し、その膜構造の不安定化を誘導し最終的に本菌を溶菌させることが強く示唆された。
新規合成プロゲステロン誘導体の基本母核構造が、ステロイドホルモンのプロゲステロンであることから、マウス由来の細胞株を用いて、17hPLの哺乳類細胞に対するホルモン作用について検討をおこなった。その結果、17hPLのホルモン作用は、プロゲステロンおよび既存の合成プロゲステロン誘導体のその作用よりも有意に弱いことが判明した。一方、17hPAの哺乳類細胞に対するホルモン作用については検討はなされていないが、17hPAがヒト乳癌細胞に対してよりもヒト胃癌細胞に対して選択的な抗腫瘍作用を示すことが示唆されtた。
以上のことから、ピロリ菌除菌治療に特化した抗菌薬の開発において、プロゲステロンが有用な基本母核構造体であることが示された。また、17hPAが、ヒト胃癌細胞に対してある程度の選択性をもって抗腫瘍活性を有することが、本研究における副次的な成果として見出されたことから、申請者は、今後、新規合成プロゲステロン誘導体の抗腫瘍活性および抗腫瘍作用機序についても、さらに詳細に検討する予定である。
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