2014 Fiscal Year Research-status Report
新たな百日咳起因菌Bordetella holmesiiに対する宿主免疫応答
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25460546
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
渡辺 峰雄 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (40279245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲地 一成 国立感染症研究所, 細菌第二部, 室長 (10260275)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ワクチン / 診断法 / 百日咳 / 免疫 / 感染 / 細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bordetella holmesii抗原の調製 Bordetella属細菌の生菌数算定に使用されているサイクロデキストリン寒天培地は、B. holmesiiの発育支持能が低く、感染実験が困難であることを明らかにした。このため、代用培地の検討を行い、コストの点で問題があるものの、Bordet Gengou寒天培地が適切であることを明らかにした。この結果によって、試作ワクチン検討の感染実験が可能になった。また、昨年度発見した防御抗原候補Aの欠損株を作出した。
感染防御免疫の誘導とその解析 昨年度発見した防御抗原候補Aの構造を解析し、Bordetella属細菌は共通して保有しているが他の細菌ではほとんど見られないユニークなタンパク質である事を明らかにした。また、防御抗原候補Aの欠損株を使用してin vovo解析を行い、B. holmesiiの病原性に関与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度のイムノプロテオミクスで検出されたスポットがほぼすべて抗原A由来であったことから、抗原Aの構造や病原性への関与に興味が持たれた。このため組み換えタンパク質の調製に先駆けて、病原性発現における重要性を明らかにした。抗原Aの欠損株を作成する予定はなかったが、この菌株を作成したことによって、組み換えタンパク質を作成しなくとも抗原Aの感染防御活性を確認することが可能になった。したがって研究の進行度としては順調に進展していると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
B. holmesiiの抗原A欠損株から試作ワクチンを調製し、ワクチンの効果が抗原A欠損によって低下することを調べる。また、B. holmesiiから抗原Aを精製し、精製抗原Aの感染防御効果を確認する。当初の予定では組み換え抗原Aを使用する予定であったが、組み換え体ではタンパク質の立体構造が変化し、本来の感染防御効果が見られなくなる可能性があったため、上記のように予定を変更する予定である。 得られた精製抗原Aは、当初計画通り決済額的診断法の検証実験にも供する。
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