2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460547
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三木 剛志 北里大学, 薬学部, 講師 (40398582)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細菌性腸炎 / 抗菌レクチン / サルモネラ / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究より、腸管系病原細菌サルモネラの感染により誘導発現した抗菌レクチンRegIIIbetaによって、腸内細菌叢バランスの破綻(dysbiosis)が誘導されることを見出した。また、ノックアウトマウスを用いた比較解析より、サルモネラ腸炎の強度に違いが認められた。そこで、最終年度(平成27年度)では、この崩れた腸内細菌叢の意義を明らかにし、サルモネラ腸炎におけるRegIIIbetaの役割を明らかにすることを試みた。まず、 RegIIIbetaの発現により、その腸管内存在比が顕著に変化する腸内細菌(以下、腸内細菌Aとする)を分離・同定した。次に、腸内細菌Aによる感染防御・抵抗能を調べるために、サルモネラの感染により腸炎が誘導されたマウスに腸内細菌Aを経口投与し、サルモネラの腸管内生菌数(腸管内定着)に対する影響を調べた。その結果、腸内細菌Aを投与したマウスにおいて、対照コントロール群(腸内細菌Aの非投与群)と比較して、サルモネラの腸管内生菌数に明らかな減弱が認められた。以上の結果より、サルモネラ感染による細菌性腸炎において、誘導発現したRegIIIbetaは腸内細菌叢バランスの破綻を引き起こしてしまい、サルモネラの感染能に影響を及ぼすことが明らかとなった。本研究により、抗菌レクチンRegIIIbetaに依存した腸内細菌叢バランスの変化による、細菌性腸炎の制御メカニズムが初めて、明らかになった。
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