2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内DNAセンサー蛋白とエンドトキシン応答クロストーク
Project/Area Number |
25460551
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
横地 高志 愛知医科大学, 医学部, 名誉教授 (20126915)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エンドトキシン / pyhin1 / MyD88非依存性 / NF-kappaB / インターフェロン-β / LPS / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の報告から,細胞内DNAセンサーpyhin1がエンドトキシン(LPS)シグナルにクロストークする可能性が示唆されたので,pyhin1のLPSシグナル制御の可能性を調べた. 最初に,LPS刺激に依存してpyhin1の発現が変化するのか調べた.RAW264.7マクロファージ細胞株をLPS刺激すると,pyhin1 mRNAの発現が増強された.この増強はマウス腹腔マクロファージでも認められることから,生理的に意義があると考えられたので,その役割と誘導メカニズムを調べた.siRNAによりノpyhinをノックダウンすると,LPS誘導性のインターフェロン-β(IFN-β)や一酸化窒素(NO)の誘導が増強され,LPSシグナルを制御する可能性が示唆された.関連するシグナル伝達経路を調べたところ,MyD88依存性シグナル経路に影響は見られなかったが,MyD88非依存性シグナル経路が増強されていた.実際,そのシグナル伝達分子であるTRAF6,TBK1,TRIFの発現増強が確認された.さらに,この増強はNF-kappaB阻害剤で抑制されることから,NF-kappaBシグナル依存性に増強されると考えられた.以上の結果から,pyhin1はLPS刺激によって,MyD88非依存性経路のNF-kappaB依存性に誘導され,LPS応答に負の制御作用を持つことが明らかになった.すなわち,本研究は,pyhin1はウイルスなどの細胞内の外来DNAのセンサーであるだけでなく,LPS刺激で誘導された炎症反応の過剰な応答を定常状態へ引き戻す調節機能を持つ可能性を初めて明らかにした.
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