2014 Fiscal Year Research-status Report
劇症型溶レン菌感染症起因株で特異的にみられる新規の変異遺伝子の同定および解析
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25460554
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
池辺 忠義 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (20333362)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 / A群レンサ球菌 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は、きわめて致死率の高い感染症である。この感染症を引き起こす主な原因菌であるA群レンサ球菌は、小児に咽頭炎などを引き起こすありふれた病原体である。我々は、STSS患者分離株(STSS株)において、病原因子の発現を抑制している制御因子(CsrS/CsrR、Rgg)に変異があり、この変異により様々な病原遺伝子の発現が上昇し、STSSの様な重篤な症状を引き起こすことを報告した。昨年度、emm1型のSTSS株の病原遺伝子の発現を調べた結果、csrS/csrR、rgg遺伝子に変異はないにもかかわらず、11株において病原遺伝子の発現が上昇していることを明らかにした。本年度は、遺伝子発現を上昇させている原因遺伝子を同定することを目的とした。 ゲノムを比較し、遺伝子を解析した結果、①sic遺伝子のプロモーター領域の変異、②spy0218遺伝子の変異、③rocA遺伝子の変異、④csrR遺伝子のプロモーター領域の変異が原因であることが判明した。1株は原因がわからなかった。sic遺伝子のプロモーター領域の変異は6株、csrR遺伝子のプロモーター領域の変異は2株あり、その他は1株ずつ存在した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的と同じところまで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
・in vivoにおける変異の影響 それぞれの変異がin vivoで病原性に与えるか調べるため、マウスを用いた動物実験を行う。咽頭炎由来株(Se235)およびSe235を変異させた株(Se235sicp*、Se2350218、Se235rocA)について、ddYマウスの腹腔内に接種し、7日間経過観察し、各株の生存曲線を作成する。変異により腎臓、肝臓、および肺に障害が起きているか調べるため、マウスの腹腔内に接種した腎臓、肝臓、および肺を摘出し、病理組織標本を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行い、病理組織検査を行う。また、皮下に菌を摂取し、経過観察する。病変部位を測定し、それぞれの株で比較する。、マウスから、皮下組織を摘出し、病理組織標本を作製し、HE染色を行い、病理組織検査を行う。
・変異遺伝子間の制御ネットワーク 本研究で見出される制御因子、CsrS/CsrRやRggの関連性について検討する。A遺伝子およびcsrR/csrS遺伝子、rgg遺伝子変異株を作製し、各株からtotal RNAを抽出する。抽出したRNAを用い、逆転写反応を行い、cDNAを合成する。合成したcDNAとTaqManプローブ等を用い、それぞれの制御因子をコードする遺伝子について定量RT-PCRを行う。変異がみられた因子により制御されている病原遺伝子群の結果、および、それぞれの制御因子間の定量RT-PCRの結果からそれぞれの因子間の制御ネットワークを推測する。推測したものが正しいか調べるため、各制御因子をコードする遺伝子の二重突然変異を作成し、制御されている遺伝子の発現量を測定し、どちらの制御因子が上位か確定する。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンス解析が安く行うことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
病理組織標本の外注分に充てる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Increased prevalence of group A streptococcus isolates in streptococcal toxic shock syndrome cases in Japan from 2010–2012.2015
Author(s)
1.Ikebe T, Tominaga K, Shima T, Okuno R, Kubota H, Ogata K, Chiba K, Katsukawa C, Ohya H, Tada Y, Okabe N, Watanabe H, Ogawa M, Ohnishi M, Working Group for Beta-hemolytic Streptococci in Japan.
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Journal Title
Epidemiology Infection
Volume: 143
Pages: 864-872
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Evaluation of streptococcal toxic shock-like syndrome caused by group B streptococcus in adults in Japan between 2009 and 2013.2015
Author(s)
2.Ikebe T, Chiba K, Shima T, Masuda C, Okuno R, Ohya H, Ogata K, Katsukawa C, Kawahara R, Tominaga K, Yabata J, Tada Y, Okabe N, Watanabe H, Chang B, Ogawa M, Ohnishi M, the Working group for beta-hemolytic streptococci in Japan.
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Journal Title
J Infection Chemotherpy
Volume: 21
Pages: 207-211
DOI
Peer Reviewed