2015 Fiscal Year Annual Research Report
次世代肺炎球菌ワクチンの開発に必要な病原因子・宿主因子に関する分子基盤の確立
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25460555
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
小川 道永 国立感染症研究所, 細菌第一部第三室, 室長 (80361624)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺炎球菌 / 病原性 / 細胞内膜輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では次世代肺炎球菌ワクチンの開発のために必要な分子基盤を構築することを目指し、肺炎球菌の病原因子の機能と肺炎球菌感染症の発症機序を明らかにすることを目的とした。 肺炎球菌の保有する病原因子のうち菌体表層に局在、または分泌されていることが予想される病原因子54種類をGFP融合タンパク質としてHeLa細胞に発現させた結果、各病原因子は細胞質、核内、核膜、小胞体(ER)または細胞接着斑での発現が認められた。一部の病原因子は細胞質でパンクタを形成しオートファジー誘導が観察された。細胞接着斑に局在する病原因子とオートファジーを誘導する病原因子については今後解析を継続する予定である。 次に40種類の欠失変異株を作製し、細胞内生残性を解析した結果、細胞内生残性がWT株よりも低下した変異株を14種類得る事が出来た。生残性が低下した病原因子についてはその機能解析を継続している。 さらに、58種類のGFP-Rabタンパク質発現ベクターを用いて、各Rabタンパク質を発現させた培養細胞に、肺炎球菌を感染させ、菌を内包するエンドソームと各種GFP-Rabタンパク質との経時的な局在性について現在解析を行った結果、10種類のRabタンパク質が肺炎球菌を内包するエンドソームと共局在し、それは肺炎球菌の保有する膜孔形成毒素であるニューモリシンに依存することを見出した。 本研究の成果から細胞内に侵入した肺炎球菌と宿主細胞との相互作用の一端が明らかになった。今後、本研究の成果を元に肺炎球菌の細胞内生残に必要な病原因子の機能、肺炎球菌の殺菌に関与することが予想されるRabタンパク質の機能を明らかにする予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Evaluation of streptococcal toxic shock-like syndrome caused by group B streptococcus in adults in Japan between 2009 and 2013.2015
Author(s)
Ikebe T, Chiba K, Shima T, Masuda C, Okuno R, Ohya H, Ogata K, Katsukawa C, Kawahara R, Tominaga K, Yabata J, Tada Y, Okabe N, Watanabe H, Chang B, Ogawa M, Ohnishi M; Working group for beta-hemolytic streptococci in Japan.
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Journal Title
J Infect Chemother
Volume: 21
Pages: 207-11
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Macroautophagy is essential for killing of intracellular Burkholderia pseudomallei in human neutrophils.Autophagy.2015
Author(s)
Rinchai, D., Riyapa, D., Buddhisa, S., Utispan, K., Titball, R. W., Stevens, M. P., Stevens, J. M., Ogawa, M., Tanida, I., Koike, M., Uchiyama, Y., Ato, M. and Lertmemongkolchai, G.
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Journal Title
Autophagy
Volume: 11
Pages: 748-55
DOI
Peer Reviewed