2015 Fiscal Year Annual Research Report
濾胞樹状細胞に依存して発生する新規な単球系細胞による胚中心B細胞活性化機構の解明
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25460590
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
曲 正樹 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50359882)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 濾胞樹状細胞 / 胚中心 / IL-34 / CSF-1受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,胚中心反応の制御に必須である濾胞樹状細胞(FDC)の機能を明らかにすることで,抗体の親和性成熟を含む胚中心反応の制御メカニズムを解明することを目的とした。特に,近年申請者らの発見したFDCにより誘導され胚中心B細胞活性化能力をもつ単球系細胞(FDMC)の分化機構およびFDMCの生体内での存在について解析した。 in vitroの解析より,FDMCの分化にはFDCより産生されるIL-34が重要であることを明らかにした。この結果をもとに,本年度はまず,免疫関連組織におけるIL-34の発現を免疫組織染色により検討した。その結果,FDCが存在する胚中心内においてIL-34陽性細胞を検出した。さらに,それらの細胞はFDCに特徴的なマーカーを発現していたことから,生体内においてもFDCがIL-34を発現している可能性が示唆された。次に,FDMC分化に重要な役割をもつIL-34を欠損したマウスを利用し,生体内におけるFDMC様細胞(IL-34依存的に発生する細胞)の検出を行った。IL-34欠損マウスの腹腔に抗原を免疫後,脾臓中の単球系細胞について解析したところ,IL-34欠損マウスにおいて減少する細胞集団(CD11b+CD115+CXCR4-)を同定した。またこれまでに,FDMCが胚中心B細胞で誘発される体細胞突然変異を誘導するデータも得ている。これらの結果は,生体内においてもIL-34依存的に発生するFDMC様細胞が存在し,胚中心反応を制御している可能性を示唆している。
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