2013 Fiscal Year Research-status Report
新規結核菌認識受容体MCLによる獲得免疫活性化機構の解明
Project/Area Number |
25460593
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三宅 靖延 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (10392143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感染免疫 / C型レクチン |
Research Abstract |
結核に対するワクチン開発には古くよりモルモットが頻用されてきた。その理由としては、結核菌感染に高感受性であること、病態がヒトの結核感染に似ていること、既存の結核ワクチンであるBCGが有効であることなどが挙げられる。しかしながら、モルモットにおける結核菌の認識機構に関してはほとんど解明されていない。我々はこれまでに、2つのC型レクチン受容体MincleとMCLが結核菌の糖脂質TDMを認識して、抗結核菌応答と惹起することを報告してきた。そこでモルモットにおけるMincleおよびMCLの相同分子をクローニングして、その機能を解析した。モルモットMincleはマウス、ヒトMincleと同様にTDMに結合し、FcRg依存的に活性化シグナルを伝達した。一方で、モルモットのMCLはTDM認識に必要な領域を含むC末側を欠損しており、TDMには結合しなかった。これらの結果から、モルモットにおいてはMincleのみがTDM受容体として機能していることが明らかとなった。さらにモルモットMincleに対する特異的な阻害抗体を作製し、結核菌感染におけるTNF産生にはMincleが重要な役割を担っていることを明らかにした。 共同研究により、ヒトMCLおよびヒトMincleの結晶構造解析を明らかにし、TDM認識に必要な部位を同定した。MincleおよびMCLのC末部分には疎水性残基に富む特徴的な領域が存在し、この領域を介してTDMの疎水性側鎖と相互作用している可能性を明らかにした。TDMに対する両分子の結合力の違いが、この領域に存在する疎水性残基の数と相関することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題により得られた成果を海外の学術雑誌PLoS OneおよびProc. Natl. Acad. Sci. USAに投稿し、受理、掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
2つのTDM認識受容体MincleとMCLが結合して複合体を形成することを見出している。そこで、この相互作用の分子メカニズムおよび、意義を解明することを主眼において研究を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験方法を改善して使用試薬を倹約したことにより、消耗品購入費が予定よりも少なくて済んだため。 試薬購入等の物品費として使用する。
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[Journal Article] Structural analysis for glycolipid recognition by the C-type lectins Mincle and MCL.2013
Author(s)
Furukawa A, Kamishikiryo J, Mori D, Toyonaga K, Okabe Y, Toji A, Kanda R, Miyake Y, Ose T, Yamasaki S, Maenaka K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 110
Pages: 17438-43
DOI
Peer Reviewed
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