2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25460619
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
瓜生原 葉子 同志社大学, 商学部, 准教授 (70611507)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 行動変容 / 移植医療 / 社会価値 / 意思決定 / 実証研究 / ソーシャルマーケティング / 非営利組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる平成27年度は,行動変容効果の検証を行った。研究計画当初はマスメディアによる介入を予定していたが,私立社会科学系大学生を中心とした非営利組織を実証フィールドとした。その理由として,大学生は,運転免許証の新たな取得,一人暮らしの開始で保険証を自身で携帯するなど臓器提供意思表示の媒体を新しく入手する機会が最も多い層だからである。また,大学生の人数は社会科学系が最も多く,その84%が私学に所属しているからであり,標本として妥当性が高いと考えられるからである。 大学生を対象としたグループフォーカスインタビュ-,定量調査結果から,移植医療に対して,必要だが不安で他人事と考えている現況が明らかとなった。また,役立つ,家族,つながりという社会価値が導出された。 前年度の分析結果と併せた実装については,一般との対話の場(サイエンスアゴラ)において,家族,つながりをコンセプトとした介入を行い,有意な行動変容が認められた。また,大学生を対象に既に意思表示をした友人との対話により行動変容が促進されることが確認された。さらに,これらの確認結果を総合し,行動変容ステージの変化を評価する指標を開発し,効果的な施策ポートフォリオの基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3年目は,行動変容効果の検証を行う予定であり,具体的活動をとおして行動変容の効果を検証した。前年度導出した結果の実証に留まらず,行動変容ステージの変化を評価する指標を開発し,効果的な施策ポートフォリオの基盤を構築することができた。 さらに,実装の場として立ち上げた非営利組織「Share Your Value Project」の活動が注目され,新聞記事2本, TV放映1回,大学公式FBによる発信2回,他のメディア取材を2回受けるに至った。活動の輪が広がり,当初予想していなかった意外な展開となったが,研究成果がより社会に還元されることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目の実証結果を,国内外の学会,国内外の雑誌で公表するとともに,より多くの市民にリーチする媒体で,研究結果を公表したいと考える。
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Causes of Carryover |
成果発表とそのfeedbackを目的とした海外旅費を多く計上していたが,他の財源を用いたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3年間の研究結果の公表を目的とした研究会,市民との対話の機会,websiteなどでの発信,書籍の出版に使用する予定である。
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