2014 Fiscal Year Research-status Report
試験薬の直接的ベネフィットがない早期探索的臨床試験の倫理に関する研究
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25460621
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 洋一 大阪大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20335342)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 研究倫理 / 国際情報交換 / 臨床試験 / 早期探索的臨床試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康人または患者を被験者とする第I相試験(早期探索的臨床試験)、特に世界で初めて新規薬剤を投与するFirst in man(First in human)試験についてのアンケートの実施および解析を行った。対象は、ボランティア、一般の方、がん患者、学生(医学部、薬学部)、医師研究者、倫理委員会委員などである。新薬の開発には、ひとを対象とする臨床試験が必要であるという認識は、医療関係者以外では必ずしも十分ではなく、今後の教育や広報活動を考える必要がある。また、抗がん剤とそれ以外の新薬との考え方の違いについても現在さらに実施解析中である。 アンケート内容の確認およびアンケートだけではわからない部分や本音を聞きだすために、当該研究においては、実際に健康被験者として登録されているボランティア数名に面談している。こうして得られた被験者の生の声や被験者像をまとめることにより、First in man試験を被験者側からの視点でも検討している。 さらに、異分野の有識者に面談し、First in man試験についての意見を求めている。今まで、海外の2専門家を含む生命倫理、哲学、法学、宗教学の専門家から貴重な意見をいただいている。 こうして現場(被験者、医師研究者)と各分野の専門家の意見を総合的に検討し、First in man試験を多角的に解析することにより、日本人(さらに人間の)の宗教観、人生観、生命観、社会観などについて、新たな側面を垣間見ることにつながると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有識者へのインタヴューは予定より先行してすすんでいるが、アンケートの回収が一部悪く遅れているものがある。
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Strategy for Future Research Activity |
月ごとに目標をたて、進捗を確認し実施していく予定である。学会発表については、シンポジウム形式にとらわれず、広く研究成果を公開し討論できる場をつくる方向で検討する。
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Causes of Carryover |
少額につき、問題ないと考えます。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品として使用させていただきます。
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