2014 Fiscal Year Research-status Report
地域医療教育のアウトカム評価:医学生の共感性及び臨床能力について
Project/Area Number |
25460623
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片岡 仁美 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20420490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 敏秀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80614924)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域医療 / 医学教育 / 共感性 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では岡山大学で平成21年度から導入された地域医療教育が医学生の共感性及び臨床能力に及ぼすアウトカムの評価を行い、アウトカム基盤型の地域医療教育カリキュラム策定への提言を行う。平成26年度の研究成果の概要は以下の通りである。 1.e-ポートフォリオの解析:オンラインのe-ポートフォリオを用いて地域医療実習中の日々の振り返りの分析を行った。実習の満足度については全体で79.7%が「満足」と解答であり、詳細な解析を含めて平成26年度日本医学教育学会大会で発表した。また、eポートフォリオの振り返りおよび教員のコメントに対する学生の評価及び教員のフィードバックの有用性を検討し、平成27年度日本医学教育学会大会で発表予定である。 2.医学生の共感性スコアの経時的評価:平成23年度より入学時に基礎データとして医学科1年生全員の共感性スコア(Jefferson Score of Physician Empathy:JSPE日本語版を使用)を調査している。同調査を1年1回継続的に行い、データの蓄積及び解析を行った。また、共感性スコアは医療面接実習などを通じて上昇することがこれまでの分析結果から明らかであり、平成26年度も実習前後のスコアの変化について解析し、平成26年度日本医学教育学会大会で発表した。 3.医療面接実技試験の評価:OSCEの医療面接試験のスコアと地域医療実習実施の関連性について評価した。地域医療実習を受けた学生と受けていない学生の2群で群間の比較を行ったところ、地域医療実習を受けた学生で有意にOSCEの医療面接試験のスコアが高かった。同分析の結果については平成26年度日本医学教育学会大会で発表した。さらに、平成24、25、26年度の4年次学生のデータについて継時的な解析も行い、結果については平成27年度日本医学教育学会大会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているが、データの解析が終了していない部分がある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.継続研究 平成26年度に引き続き経時的なデータの蓄積及び解析を行う。平成22年度入学の8名の地域枠学生は卒業年度となるため、研修病院の選択、キャリアパスについての志向性について質問紙を用いて評価する。 2.結果の解析と報告 これまでに得られたデータをまとめ、日本医学教育学会大会、日本プライマリケア連合学会等で発表する。また、3年間の結果をまとめて論文作成、投稿する。岡山大学のカリキュラム委員会、教務委員会で研究結果を報告し、カリキュラム編成への反映を目指す。また、アウトカム基盤型の地域医療教育カリキュラム策定について提言を行う。
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Causes of Carryover |
米国Thomas Jefferson大学に研究協力依頼しているため、打ち合わせのため研究代表者が米国渡航予定としていたが、先方が日本に訪問する予定があったため打ち合わせ場所を東京としたため米国渡航が不要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度につき論文投稿予定が当初計画より多くなっており、追加の投稿費用等として使用予定である。
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