2014 Fiscal Year Research-status Report
雲仙普賢岳災害被災者におけるトラウマティックストレスの長期経過研究
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25460626
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木下 裕久 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10380883)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心的外傷後ストレス障害 / 心的外傷後成長 / 災害精神医学 / 抑うつ状態 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、アンケートに含める調査項目や、調査バッテリーの選定を行うための会議を2回行い、調査表に盛り込む内容はほぼ固まって来た。この中身としては、自然災害時の心的外傷後ストレス障害の程度とその長期経過を調査することに加えて、近年注目が集まっている心的外傷後成長の概念に基づく調査バッテリーを加えることになった。なおかつ被災時の状況や健康状態、地域での保健活動また本来その地域住民の間にあったコミュニティが持っていると考えられる災害状況からの物心両面での立ち直りの力、いうなれば地域が持つレジリエンスを評価できるものとしている。また調査対象としては、災害開始時の少なくとも小学校に入学していた、現在32歳以上の該当地域の現在の住民とし、年齢に上限は設けないこととした。この作業と並行して、調査対象区域の保健所において、関係者を集めた会議を1回行った。その中で、被災から25年が経過した現時点で、郵送式のアンケートでは、回収率とその記載の妥当性が低くなる可能性が高いことが指摘され、また個人情報保護の観点からも実際に地域に出向いて直接アンケートを手渡し、その場で記載を確認する方法をとることになった。また当時島原市と南高来郡深江町に分かれていた調査対象地域は、現在の行政区分では、島原市と南島原市に分かれることから、それぞれの地域での健康保健業務に携わる部署と、社会福祉協議会、あるいは自治会と連絡をとりながら、新年度に対象区域で開催予定の地域保健のイベントや特定健診の場面に参加するための手続きを行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査項目に加える評価項目や心理評価バッテリーの選択に予想外に時間がかかったことと地域の保健所において、これまで地域保健にかかわってきた関係者の助言から、郵送式では、回収率やアンケートへの回答の精度が維持できないとの判断し、実際に地域に調査者が出向いて行って、直接の説明と協力依頼を行って、その場で記入いただく方針に変更したこと。またこれに伴い、実際に保健のイベントが行われる6月~10月ごろまでの期間に直接参加して、協力を依頼する準備を現在進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、6月~10月頃までに、地域のイベントや健診活動に数名の協力者とともに参加し、アンケート配布と回収を行う予定である。その結果を集計解析し、個別の聞き取り調査を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定より調査表の項目策定とアンケートの実施が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度より実際に調査表の印刷を開始し、地域の関係機関と協力しながら、アンケートによる一次調査と、個別聞き取りによる二次調査を行う予定である。
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