2015 Fiscal Year Annual Research Report
雲仙普賢岳災害被災者におけるトラウマティックストレスの長期経過研究
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25460626
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木下 裕久 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10380883)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PTSD / 災害精神医学 / GHQ-12 / IES-R / PTG / 自然災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
雲仙普賢岳噴火災害の発生から20年以上が経過した、島原市および南島原市の地域住民に対して、アンケート調査を行い、自然災害被災者におけるトラウマティックストレスの長期的な影響を調査した。アンケートの内容は、長崎大学で平成17年度に試行したものに準じるものとし、General Health Questionaire 30(GHQ-30)、Impact of Event Scale-Revised(IES-R)を主体とし、あわせて被災状況、現在の健康状態、社会経済的状況、教育歴等を尋ねるものとした。また今回は、災害時の精神的成長を意味するPTG(Post Traumatic Growth)を測定する質問として、PTGI(Post traumatic Growth Inventory)外傷後成長尺度の日本語版の短縮版も取り入れた質問票を使用した。両地域を合わせて、300名の方から回答を得た。その結果、災害から20年以上が経過した現在においても、GHQ-30の平均値は高く、また被災状況とIES-R得点との関連も認められた。詳細は現在解析中であり、近日中に論文として発表する準備を進めている。また今後は、地域における災害からの立ち直りについてのよりナラティブな状況調査を進めていく方針である。
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