2015 Fiscal Year Research-status Report
臨床推論過程の逆行的学習による臨床前教育の開発と検証
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25460635
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大久保 由美子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80287317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床推論 / 臨床前教育 / コンピテンシー教育 / 前向き介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の卒前教育に不足する、臨床実習前の新たな臨床推論能力の教育法を開発し、教育効果を検証するのが本研究の目的である。症候からの鑑別診断、および患者が抱える諸問題の発見解決に必要な過程を医学生が体験する際、与えられた教材を用いるのではなく、学生が臨床推論の課題を作成し、その課題を用いて臨床医が患者の問題を解決する際の情報収集法、思考過程を観察、解析する。通常の臨床推論過程と逆行する過程を能動的に体験することで作成課題の妥当性を学び、臨床医の臨床推論過程の分析を行うことで実際の思考過程、症例の医療情報収集の多様性を学ぶ。本研究に参加する学生を介入群とし、その他の学生を対照群として、問題解決能力、臨床推論能力、技能、態度を測定、比較する。 本研究の介入群となる医学部3年生は研究の概要を説明したうえで臨床推論について自己学習し、課題を各自学生が作成した。課題は学生が選択した病態または疾患の症例で、医療情報を小分けにしたものとした。学生は各自約30人の臨床医を訪問し、課題を提示し、限られた医療情報をもとに考えられる病態または疾患、鑑別のために必要な情報を聴取した。学生は臨床医の専門および臨床経験年数で鑑別疾患数、必要情報量、診断プロセスに差があるか、分析した。臨床経験の少ない臨床医ほど、学生が課題作成に用いたのと同様な分析的な手法を用い、少ない情報から多くの鑑別数、必要とする情報量を求めて診断する傾向にあることが分かった。学生は医師の求める情報の共通性と多様性に気づき、臨床推論過程を学んだと述べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は本学の研究室配属カリキュラムに行われるため介入群が若干名であるが、医学生各自が訪問した臨床医数は約30名にのぼり、解析出来る数値となった。介入群と対照群を比較した教育効果の判定を実施しており、概ね順調に伸展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年および26年度に3年生であった介入群は平成28年度にそれぞれ6年生、5年生となっている。介入群、比較群に対して問題解決能力、臨床推論能力、技能および態度、学習意欲および職業意識、診療情報の追加による臨床判断の変化を問う言語化試験(Script Concordance Test; SCT)、臨床推論能力教育のためのチーム基盤型学習(TBL)、本学で開発したコンピューターを用いた臨床問題解決能力試験(problem-solving ability test; P-SAT)、客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination ; OSCE)、質問紙調査を行い、両群の比較を行う。
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Causes of Carryover |
学生の発表に関してビデオを購入せず、iPod touch端末を用いたため。また予定していたTablet端末も購入しておらず、研究計画は概ね順調に進展しているが、解析に必要な物品購入を当該年度に行わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は介入研究を進めるのと平行して、前年度のデータの解析を行う。物品の購入が必要となる。
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Research Products
(6 results)