2013 Fiscal Year Research-status Report
医療面接実習において学生が行動変容を来たす模擬患者のフィードバック手法の特定
Project/Area Number |
25460637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
阿曽 亮子 日本医科大学, 医学部, 助教 (90184176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 弘高 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90401314)
藤倉 輝道 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00238552)
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 模擬患者養成 / SP参加型実習 / 医療面接 / 質的研究 |
Research Abstract |
日本医科大学で実施しているSP参加型実習において学生は何をどのように学び、卒業後の医師としての仕事に結びつけているのか、実習の有効性を学生の側から評価するために、本研究では実習を経験した卒業生との面接を行い、質的に分析した。卒業生の医師4名にそれぞれ1時間の半構造化面接を行い、トランスクリプトから修正版M-GTAを用いて質的に分析した。質問項目は実習で印象に残っていること、面接の内容で覚えていること、面接終了後のSPのフィードバック(FB)で覚えていること等の5項目である。本研究は倫理委員会で承認された。卒業生らはSP参加型実習において医療面接における身嗜み(「私の中では最初の身だしなみチェックというのが、すごい記憶に残っていて、、」)、開放型質問から閉鎖型質問へ絞る流れ(「最初はオープンに聞いて、それからクローズド~~今も全然使います。」)、更に共感の言葉がけなどのスキルを練習し、SPからのFBを受け入れながら身につけていった。そこにはSPの演技の本物の患者らしさ、SPの背景を慮ったFBの理解、グループの学生同士の関わりなどが関与していた。また実習したスキルを医師の業務に生かしていた。その中で、実習中に考えていた理想的な医師の姿と現実の違いを認識し、患者から信頼される関係の構築に努めていた。卒業生は実習で身に着けた医療面接のスキルを使っており、SPからの指摘を今でも覚えて気を付けていた。何度も練習したことがスキルの習得に役立つこと、そしてSPの指摘を受け入れる素地があって今でも心にとどめていることがうかがえた。これらは、今後のSP養成及びSP参加型実習を実施する上で、SPがフィードバックすべき点及び表現方法を習得する上で重要なポイントを示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は倫理委員会の申請、卒後研修委員会での説明等、研究を進める上での環境整備を行った。倫理委員会では、(1)SP参加型実習経験者である日本医科大学の卒業生を対象とした面接、(2)SP参加型実習非経験の本学卒業生を対象とした面接、(3)実習経験後の5年生、6年生を対象としたフォーカスグループインタビュー、の3通りの申請をし、承認された。 その上で(1)実習経験者の卒業生をリクルートし、インタビューを4名まで実施できた。 また、日本医学教育学会大会に演題を提出した。
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Strategy for Future Research Activity |
卒業生インタビューに関しては、今後理論的飽和に達するまで例数を増やす予定である。その後質的分析を行い、学会発表及び論文化を予定している。 次年度は、在学生のフォーカスグループインタビューを行い、質的分析を行い、卒業生との相違点も考察する。さらにSP参加型実習非経験の本学卒業生のインタビューを開始する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー等が思うように出来ず、繰越金が生じた。 平成26年度計画に、平成25年度に出来なかった「インタビュー費用」「テープ起こし費用」に充てて研究を遂行する
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