2015 Fiscal Year Annual Research Report
インクレチンの血液網膜関門保護への直接的介入 -糖尿病網膜症発症・進展抑制機能-
Project/Area Number |
25460654
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
足立 哲夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40137063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宏和 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30305495)
神谷 哲朗 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (60453057)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / インクレチン / ストレス / 糖尿病 / 抗酸化酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.Exendin-4には、膵でのインスリン分泌を亢進すると同時にグルカゴン分泌を抑制する作用以外に、種々の組織や臓器に作用し糖尿病病態を抑制するという膵外作用が報告されている。糖尿病網膜症においては、網膜血管内皮細胞において酸化ストレスが増大し、結果的に血管透過性が亢進することにより血中タンパクが硝子体中に逸脱して炎症病態を呈することを見出している。前年度までにexendin-4がA549細胞での抗酸化酵素extracellular-superoxide dismutase(EC-SOD)発現を亢進することが確認されたため、exendin-4が網膜血管系においても同様にEC-SOD発現を亢進することで酸化ストレスに対する抵抗性を高め結果的に糖尿病網膜症の進展抑制に働いている可能性について検討した。その結果、exendin-4は網膜血管内皮細胞(HREC)でのEC-SOD発現を亢進することが判明した。また、GLP-1受容体アンタゴニストであるexendin-(9-39)の添加により有意に抑制された結果から、exendin-4の作用はGLP-1受容体への結合を介することが明らかになった。しかし、exendin-4によるEC-SOD発現亢進はA549細胞の場合とは異なり、EC-SODプロモーター領域の CpGサイトの脱メチル化によるものではないことが判明した。一方、exendin-4はHRECにおいて、histone deacetylase (HDAC)活性を低下させることでヒストンアセチル化を促進しEC-SOD発現を亢進していることが判明した。
2.臨床研究として、GLP-1アナログあるいはDPP-4阻害剤による治療を開始した糖尿病患者の投与開始前後の血漿中EC-SOD濃度を測定した結果、インクレチン治療開始により、血中EC-SOD濃度が有意に上昇し、LDL-コレステロールの低下を伴っていた。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Foresight of physical development indicated by the national health and nutrition survey in Japan: An approach in terms of biomedical sciences2015
Author(s)
Maehata Y, Miyamoto C, Tsukinoki T, Takahashi S, Yoshino F, Wada-Takahashi S, Yoshida A, Tanaka A, Adachi T, Igoshi N, Shiba T, Kishikawa N, Imazato T, Suzuki I, Ihara H, Shumonura H, Okabe H, Yanagisaawa T, Hosho A, Maehata E
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Journal Title
Int. J. Anal. Bio-Sci.
Volume: 3
Pages: 63-72
Peer Reviewed
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