2014 Fiscal Year Research-status Report
抗線維化薬ピルフェニドンの筋ジストロフィーおよび内視鏡治療後食道狭窄への治療応用
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25460664
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
内田 友二 崇城大学, 薬学部, 准教授 (70433026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 円 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナルメディカルセンター, 室長、病棟医長 (60433025)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 線維化 / 炎症性サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
抗線維化薬ピルフェニドンによる治療効果判定のため、昨年度からこれまでコラーゲン1タンパク量をELISA kit を用いて評価してきた。しかしながら、測定値が安定せず、他のELISA kit やWestern blotting などの他の代替方法も見いだせなかった。原因として、コラーゲン1タンパク分子が重合体でありかつ分子量が非常に大きいため、タンパクの抽出過程でコラーゲン1が完全な形で抽出できていない可能性が考えられた。解決策として、コラーゲン1の構成アミノ酸を抽出した後にアミノ酸解析を行うなどの方法も検討したが、現在の研究環境では施行できなかった。そこで、線維化の伸展に伴い直接的に増加するコラーゲン1ではなく、線維化の進行に重要な役割を担っている炎症性サイトカインをマーカーとして本研究を展開した。まず培養細胞による炎症性サイトカインの1つであるインターロイキン8(以下、IL-8)の合成/分泌量をELISAで測定する系を用いることとし、使用する細胞は、線維化組織において線維芽細胞の周囲に存在し、炎症反応に関連の強いマクロファージの細胞株を用いた。 具体的には、最初に浮遊系のモノサイトの細胞株であるTHP-1に分化誘導をかけることで接着系のマクロファージ様細胞に分化させた。その細胞を用いてIL-8の分泌量を測定したが著しく低値であった。そこで、治療効果の判定を容易にすべく基礎分泌量を増やすことを目的に、Toll-like-Receptor3 のリガンドであるpolyIC(0.1~10μg/ml)にてTHP-1を刺激した。しかしIL-8の分泌量に変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. コラーゲン1の特性のためタンパク量の評価が困難なこと。 2. 食道由来の平滑筋細胞の初代培養で各種実験に必要な細胞数が確保できず、継代もできないこと。 3. 食道由来の平滑筋細胞の細胞株がコマーシャルで存在しないこと。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、1. 3T3や3T6などの線維芽細胞や C2C12などの筋芽細胞によるIL-8の分泌量を求める。2.線維化を促進するIL-8以外の炎症性サイトカインを評価対象とする。3. シグナルを入れるレセプターのサブタイプを変更するなどの検討を行い、ピルフェニドンによる炎症性サイトカインの抑制効果を解析する予定である。
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