2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25460669
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
惠 淑萍 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90337030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 仁志 北海道大学, その他の研究科, 教授 (70197622) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プラズマローゲン / コリン型プラズマローゲン / エタノールアミン型プラズマローゲン / 化学合成 / 標準品 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラズマローゲンは、脳・心臓等に存在するリン脂質の一種である。プラズマローゲンは構造の特徴として、sn-1ポジションにはビニルエーテル結合をもつアルケニル基があり、sn-2ポジションには多価不飽和脂肪酸がエステル結合している。コリン型は心臓に多く、エタノールアミン型は脳に多く存在している。近年、プラズマローゲンがリポ蛋白質中で著明なコレステロール酸化抑制作用をもち、脳のアルツハイマー病変部で特異的にその含量が低下すること、またアルツハイマー病発症に先立ち、血清プラズマローゲン濃度が低下することが報告され病因論的に注目されている。しかし、プラズマローゲンの標品が入手できないため分析法が確立していないことが研究の足かせとなっている。 今まで、本研究室ではコリン型プラズマローゲンの化学合成に成功し、そのLC/MS分析法を確立した。しかし、エタノールアミン型プラズマローゲンについて、ヘッドグループが高い反応性を有しており、エタノールアミン型の化学合成は大変困難であった。 H27年度は主にエタノールアミン型プラズマローゲンの化学合成を試みた。具体的に、種々な保護基から最もエタノールアミンの保護に適した保護基を見つけ、エタノールアミン型プラズマローゲンの化学合成が初めて成功した。合成したエタノールアミン型プラズマローゲン(PlaE)分子種は、PlaE16:1/18:1、PlaE16:1/20:4および内標準物質のPlaE16:1/17:0である。なお、NMRおよび精密質量分析装置によりそれらの構造を確認することができた。 現在はエタノールアミン型プラズマローゲンの化学合成法に関する論文を作成中である。今後は生体内に存在していないPlaE16:1/17:0を内標準物質として新規LC/MS分析法を確立し、プラズマローゲンと疾患の関係を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 脂肪滴の分析技術2015
Author(s)
惠 淑萍
Organizer
第22回日本未病システム学会学術総会
Place of Presentation
北海道大学 学術交流会館(北海道札幌市)
Year and Date
2015-10-11 – 2015-10-11