2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いた赤血球膜異常症の網羅的解析
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25460686
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山城 安啓 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50243671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 経彦 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20144925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子解析 / 赤血球膜タンパク / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
赤血球膜タンパク関連遺伝子19遺伝子の全エクソン92174bpの解析用Primer 694種類を設計し、次世代シーケンサーIonPGMシステムにより解析を行った。検体は当研究室において、EMA法によりband3の低下を認めた球状赤血球症を呈する検体5例、band3の低下が認められなかった楕円および球状赤血球を呈する検体4例、標的赤血球を呈する検体1例の計10例である。 結果:5’および3’非翻訳領域を含むエクソン、エクソンーイントロン部位に合計119の変異・多型を検出、そのうち13が新規の変異であった。Band3低下を示す5例中4例がアンキリン異常のものであり、うち1例は既知の変異、3例が新規の変異によるものであった。 論文発表:βグロビン遺伝子に異常のないサラセミアに関してSOLiD5500を用い全エクソン解析を行ない、EKLF変異のみがβサラセミアに関連していることを証明した。大学院生が 雑誌Hemoglobinに投稿しアクセプトされた。 学会発表:大学院生が日本血液学会で上記の内容の学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2種類の次世代シーケンサーを用いた分析は終了した。①5例の全ゲノム解析解析から一部の有用なデータが得られたものの、莫大な量のデータのため完全に終了していない。②10例の膜タンパク異常に絞った解析では、病態に結びつく3種類の新規の異常を発見できたが、その他の新規の異常と病態の関連性が明らかにできていない。IonPGMシステムは読み取り回数から遺伝子欠失の有無が判定できるため、解析方法を変えて研究を進める。もっと多くの検体を解析し、報告したかった。
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Strategy for Future Research Activity |
解析の終わっていない全ゲノムの異常と病態を明らかにする。また。広範囲遺伝子欠失の有無を含めて、球状赤血球症の解析を進める。さらに、他の形態異常が認められる5症例の原因となる遺伝子変異を検索する。 日本血液学会にて報告をする。(登録済み)
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Causes of Carryover |
効率的な実験を行うため、前倒し支払い請求をし使用したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アンキリン遺伝子欠失の有無の解析および学会発表(第77回日本血液学会学術集会、2015年10月16日(金)~18日(日)石川県金沢市)
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Research Products
(2 results)