2013 Fiscal Year Research-status Report
臨床検査分析前変動の系統的再評価とデータ・レポジトリーの構築
Project/Area Number |
25460688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
清水 慶久 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80403674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市原 清志 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10144495)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臨床検査変動要因解析 |
Research Abstract |
本研究においては、病気以外の原因で検査値が変化する分析前変動の要因を体系的に実施し、現在、IFCC(国際臨床化学連合)で進行中の世界規模基準値調査と連携して行うことで、全測定値を標準化または調和化可能な形で集積し(実験結果のレポジトリー化)、大規模な基準値(健常者の基礎条件での測定値)データベースと分析前変動(特定条件下での測定値)データベースを結びつけて利用できる環境を構築を目指している。 このうち基準値データベース化については、研究分担者の市原は、IFCC, APFCBのプロジェクトとして2008~10年にアジア地域で大規模な共有基準範囲設定プロジェクト(8ヶ国3500名、95検査項目)を実施し、国際連携とデータ解析(標準化操作、変動要因分析、等)、世界規模調査に不可欠な世界共通プロトコールを完成させ、その成果を、Clin Chem Lab Med に発表した(他に招待講演3件)。 次の段階として、この大規模なデータベースに統合させるため、臨床検査の分析前変動要因のうち、重要度の高いものから順次、詳細な条件を設定して実験を行く予定である。 今年度は、対象となる分析前変動要因の実施条件についても再考し、運動による影響については、より定量性を高めるため、ウォーキング等の個人の主観に依存する負荷運動から、すべてのレベル(軽度・中等度・強度負荷)において、消費カロリーを基準とするトレッドミルを用いた方法にすることとした。 また、過労状態の影響の調査については、当直勤務直後の採血については、リスクが高いと判断し、今回の調査では見送ることとした。これらの調査では、信頼性を上げるため、対象人数を少なくとも10例(男女数均等配分)を目安としているため、現在そのリクルート作業に若干の遅れが生じているため、まだ試料分析には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試料分析に関しては、測定試薬の開封後の有効期間が短いことから、一括測定を予定しているが、現在、生理的変動要因の調査のための試料が十分集まっていないことによる。 分析自体は、1~2週間程度で完了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、個体内(生理的)変動に関する実験を中心に実施する予定である。最も基本的な情報として、日内リズム、体位・体動の影響、食事、運動・ストレスの影響について、改めて、綿密な計画のもとに、各変動要因毎に2~3段階のレベルに分け実験を行う。また、対象人数は、信頼性を上げるため、少なくとも10例(男女数均等配分)を目安とする。 具体的には、運動・ストレスの影響については、①トレッドミルを用いた定量的な運動負荷(軽度負荷・中等度負荷・ 強度負荷)負荷を想定し、実施する。また、②体位・体動:体位の影響の大きさは、患者が来院後、採血まで何分間の座位安静が必要かについての情報を得るため、来院時までの立位歩行時間と、採血直前座位安静時間との関係を各々5分間隔で評価する。③ストレス・過労状態:定期運動の習慣がある場合、採血当日に運動するかしないかでどのような影響があるか、採血直前の活動度の影響、当直勤務直後の採血、採血直前の喫煙の影響、などを系統的に調べる。 なお対象検査項目は、生化学検査項目を中心に約30項目を予定しているが、分析要因に応じて調整する。 最終的には、実施条件と分析結果を次のように系統的に整理できるようにし、測定法、測定項目、データ形式、作図方法などを個別に入力することにより、データをファイル化できるようにする。さらに、実験の種類や条件をコード化し、必要な表やグラフの表示にも柔軟に対応出来るようにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度中に試料分析を行う予定であったが、対象となる試料が集まらなかったことから、試料分析に用いる測定試薬(開封後の有効期間が短いため)の購入を見送ったため、未使用額が生じた。 平成26年度の研究費と併せて、試料分析に用いる測定試薬の購入に充てる。
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[Journal Article] The Asian project for collaborative derivation of reference intervals: (2) results of non-standardized analytes and transference of reference intervals to the participating laboratories on the basis of cross-comparison of test results.2013
Author(s)
Kiyoshi Ichihara , Ferruccio Ceriotti , Mori Kazuo , Yang-Yang Huang , Yoshihisa Shimizu ,Haruki Suzuki , Masami Kitagawa , Kazuyoshi Yamauchi , Sadao Hayashi , Chia-Chun Tsou ,Yoshikazu Yamamoto , Shigeo Ishida , Linda Leong , Michitaka Sano , Hwan Sub Lim ,Akira Suwabe , Hee-Yeon Woo , Keiya Kojima , Yoshio Okubo
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Journal Title
Clin Chem Lab Med
Volume: 51(7)
Pages: 1443~57
DOI
Peer Reviewed
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